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 青い。

 蒼い。

 雲のない、この空は、透き通るような青さで覆われていた。

 深い。

 海がそのまま反転したかのように、底の見えない感覚を覚えるような、深さだ。

 そんな空に手を伸ばす。

 届くように見える。

 だけど、その手は届くことはない。

 虚空を掴むだけだ。

 それはいらない。

 そんなものはいらない。

 欲しいのは、あの空だ。

 背伸びして、手を伸ばせるだけでも伸ばす。

 しかし、それだけでは届くことはできない。

 なら――。

 背中に力を入れる。

 強く。

 大きく。

 自分が飛べるのだと信じて。

 そして――大空へ羽ばたいた。







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