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内容を変更しました。(1/7)
青い。
蒼い。
雲のない、この空は、透き通るような青さで覆われていた。
深い。
海がそのまま反転したかのように、底の見えない感覚を覚えるような、深さだ。
そんな空に手を伸ばす。
届くように見える。
だけど、その手は届くことはない。
虚空を掴むだけだ。
それはいらない。
そんなものはいらない。
欲しいのは、あの空だ。
背伸びして、手を伸ばせるだけでも伸ばす。
しかし、それだけでは届くことはできない。
なら――。
背中に力を入れる。
強く。
大きく。
自分が飛べるのだと信じて。
そして――大空へ羽ばたいた。