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私の中の私

作者: コッコ


(この物語はフィクションです。登場人物のケイコは実在しません。全て作り話ですよ~)


皆さん人間には、潜在意識と顕在意識があるのをご存知だと思います。

人は潜在意識の存在に気づいています。


この潜在と顕在、二つの意識の境はびったり引っ付いていて、あまり人の顕在意識は、潜在意識の欲望等を具体的な言葉で知ることはできません。


勿論この二つ(潜在と顕在)の意識どおしが会話をするっていうことはありません。


しかし、ケイコの場合は違ったのです。


中学生ぐらいの時から心の中の潜在意識の存在を徐々に、はっきりと感じることができるようになったのです。


ケイコの場合、その後の2つの意識の境目が徐々にはっきりしていき、しまいには分かれてしまいました。


そのため、ケイコはある日、潜在意識からの声を心の中ではっきりと聞くことになってしまいました。


「こんにちは、ケイコ!私はあなたの心の中にいるロコよ。あなたの潜在意識なの。ケイコの意識と私の境目が広がってきた時からあなたと私は同じ人でありながら別々の意識なのかなって思うようになったんだよ。

ロコはケイコに前から話掛けたかったんだけど、あなたが動揺するかもしれないから、話かけれなかった。でも今日ついに話かけちゃったよ~」


はじめは、ケイコも悪魔にとりつかれたのかなと思ってびっくりしていた。

しかし、ケイコは変わり者だったのか、2つの意識は違和感なく心の中で

会話するようになっていった。


ケイコはロコにいろんな面で助けられた。

ロコは素晴らしい助言をケイコにした。

「ケイコあなたは、このような方面に向いているのよ」

「あなた今日は疲れているから早く寝た方がいいよ」

「夜遅いけど、あなたの頭今最高に回転している状態だから勉強続けた方がいいよ」

「今日は、内臓が疲れているから食べ過ぎない方がいいよ」


ロコはケイコの知らないケイコ体のことを知っている偉大な存在だったのだ。


ケイコは、高校卒業後、就職した。

その会社には、素敵な人が居た。

ケイコは直ぐに興味を持った。

ロコはケイコに言った。

「ケイコその人素敵じゃない。ロコはもう彼にメロメロだよ~。今日の帰り彼に近づいていって」

「ロコッ!、近づいていって何するのよ」

「いいから近づけばいいのよ。後は私がなんとかするから」

「でも近づいていって変に思われないかしら」

「彼いつも帰る前、喫煙室でタバコを一本吸って帰るでしょそこで待ち構えておけば、大丈夫

「変に思われないっ」

ケイコはロコの偉大さを知っていてロコには間違いが少ない。

ロコのの言うとおりにすることにした。


ケイコは、彼が喫煙室から出てくるところを待ち構えていた。

そうしたら私の口が勝手にしゃべりだした。

「私インターネト始めたいんだけどパソコン詳しくなくって・・・」


うまく彼の興味を引き、誘い出すことに成功し、食事も一緒にすることができた。

ケイコもロコの言いたいことをしゃべるだけでなく、自分自身の言葉でもしゃべり、ロコ、ケイコとも楽しい時間を過ごすことができた。


このお誘いがきっかけとなり、ケイコ(とロコ)と彼は交際をすることになった。

が一番喜んでいるのは、ロコであった。


ロコは喜び、偉大なロコは、お礼としてケイコにますます偉大な力を与えていった。

ケイコの体調はいつもよかった。気分もいつも爽やかで最高。

頭の切れもますますよくなっていった。


高校の頃、成績不振だったのが不思議なくらいであり、過去のケイコのことを知っている友人が不思議がった。


ケイコ女性でありながら、その会社で一番の出世をとげていた。


しかし、この幸せも長くは続かなかった。

彼から結婚を申し込まれたのだ。

ケイコが怖れていたことが起こったのだ。

つきあいだしてから分かったのだが、彼の家とケイコの家の間で、昔いさかいあったようなのだ。

そのため、結婚はできないだろうと諦めていた。


ロコは彼といる時がこんなに楽しいんだから、家どおしのこととか気にしなくて駆け落ちでもして結婚すればと勧めてきた。

が、ケイコはどうしても優しく育ててくれた愛する両親と縁を切ることはできなかった。

ということで、残念ながらこの結婚の申し込みがきっかけで交際は終わってしまった。


ケイコは会社に居辛くなり、会社を辞め、他の会社に再就職した。

ロコは彼と別れてかなりがっかりしたみたいであった。

ケイコに与えていたロコの力はそれでもしばらくは続いていた。

が、やはり次第に小さくなっていった。

ケイコは今では高校の時のようなできない生徒、いや社員になりつつあった。


ケイコは、ロコを喜ばせ、ロコからまた偉大な力を与えて貰えるようになりたいと思った。

そのためには、ロコのために素敵な彼を見つけることが一番だと思った。


しばらくして、会社にイケ面の大卒の新入社員が入ってきた。


ファッションセンスがよく動きがきびきびしていて運動神経よさそうで素敵だった。

ロコもケイコも直ぐに彼を好きになった。


しかし、ケイコの方はなんとなく彼のしゃべり方が原因で興味を失っていった。

今風かもしれないけど、軽そうなしゃべり方が嫌だった。


その後、彼のよくない噂が女性社員の間にのぼるようになった。

かなり恋愛に関してはいい加減な野郎であり、この会社の女子社員が騙され泣かされたらしい~。

ケイコの一番許せない嫌いなタイプではないか。


しかし、結構本能的な感情のロコは嫌いにならなかった。

「いい男じゃない。付き合いなよ。ロコのために彼と付き合って頂戴よ」

「ロコ何を言ってるの!、付き合って傷つけられ、辛い思いするのは、私達よ」

「ケイコ、あなたはロコの力をよく知っているわよね。私がうまくやるわ!

彼に絶対そのようないい加減なことをさせないって」

「ロコ、あなたが彼のこと好きなのよく分かっているわ。

しかし、ケイコは、あいつのこと大嫌いなのよ。

今回だけはお願いだから諦めて」


ロコとケイコはお互い譲らなかった。

ロコはケイコの協力なしに彼と付合うことはできなかった。

ロコは偉大な力を確かに持っていたのであるが、やはりケイコが主人であり、支配されている運命なのである。


ケイコは、彼に近づこうとしなかった。

しかし、諦めていないロコは、なんとか彼に「好きよ」って信号を送りたかった。

それでロコは、彼が近づいてきた時、ケイコの顔を燃え上がるように赤くして彼に

「私はあなたのことすきなのよ。あなたに抱かれたいのよ。」

って信号を送った。


びっくりしたのは、ケイコ。

確かに外見上で彼を好きになったことは、あったけど。

今では一番きらいな奴。

奴に誤解されてしまう。


「ロコやめて、お願い。」

ロコは思い通りにならないケイコに苛立ち。

赤面症でケイコを苦しめた。


ロコが苛立ちケイコが辛い思いをする。

ケイコはロコに赤面を止めるように何度もお願いをしたが止めてくれなかった。


「ロコ、聞いて頂戴。

私が動揺すれば、あなたも動揺様し辛いでしょ」

「そうよ。

でも私は、ケイコの支配下でしか生きられない。

どうして、ロコが潜在意識で、ケイコが顕在意識なの。

不公平じゃない」

「そんなことケイコに聞かれても分からないわよ。神様が決めたんじゃない。

もうこれは運命なのよ。

そもそもどうして私たち分離してしまったんだろうね。

精神科に行って調べて貰った方かいいのかもね」

「ケイコそれは止めて、ロコ殺されてしまう」

「大丈夫よ。潜在意識って大事なんだから、潜在意識がなければ私も生きていけないのよ」


ケイコは、病院に行った。

しかし、先生も困り果てた。


「潜在意識が異性に対して信号を送る??」

「こんな病気、初めてじゃ。

二重人格障害とか多重人格障害とかよくあるが、潜在意識と顕在意識が分裂するなんて」

「いわばこうじゃ、多重人格というのは、精神が縦に割れた状態。

 ケイコさんの場合は、精神が横に割れた状態じゃな。あっはっはっは」


この先生やばっ とケイコは思った。

先生でも検討違いのことを言ってしまうぐらい、私変な病気なのかな。


いつも困った時は、ロコに相談していたんだけど、今回はロコのことで悩んでいるんだよね。

相談する相手がいない。

寂しく感じた。


ケイコは考えた。

ケイコの異常な病気のことを言っても先生には、おかしいと思われるか(確かにおかしいが)、先生が前回と同じように訳の分からないことを言ってしまうに決まっている。


ケイコは今度は、別の病名で病院に行くことにした。

病名は赤面症である。

確かにその通りである。

診察の時ケイコは、

「異性の前に出ると、顔が最近赤くなるようになったんです。

非常に困るので赤くならないようにしたいんですけど治してください。」

と言った


先生は説明した

「よくある病気ですよ。特に女性に多いですな。

 ケイコさん。病は気からといいます。きっと疲れているんですよ。

 自分の精神を労わってやりなさい。

すると徐々に直っていきますよ。

 気にしないでください(一番気になる言葉。どうしても気になるから来たの!)」


ケイコは診察が終わってから思った。

自分の精神を労わるってことはロコを労わるってことだよね。

ロコってどんなことすれば、気が休まるのかな。


ケイコは、気持ちの休まる音楽を聴いたりした。

ケイコは、友達と温泉に行き、美味しいものを食べ、気持ちのいい温泉にはいり、

楽しいおしゃべりをした。

ケイコは、スポーツジムに行き運動し、汗をかき健康なことをした。


そうすれば、ケイコの深層心理、体の健康を考えてくれているロコの心は休まるはずだと思った。


ケイコはやってきたことが少しは、赤面症改善に役立ってればいいなと思った。


ケイコは会社で、また例の奴と会った。

しかし、以前のように顔から火が出るぐらい真っ赤っかになることはなかった。

少しは症状が和らいだようだ。

ロコは、心をケイコが休ませてくれたことに対して感謝しているのだろう。

以前のようにケイコの困り果てるようなことをするのに気が引けたのだろう。

またケイコが困れば、ケイコの健康を司るロコ自身も困るしね。


ケイコは、ロコと今後も仲良くしていきたいと思った。

ケイコにとってロコこそ運命の人なんだ。


ロコは、今後ケイコと境目が分からなくなるぐらいまたケイコと引っ付くのか。

それとも今のままで、離れたままなのかは、分からない。


でもケイコは思った。

合体していようと、離れていようと、潜在意識ロコを大事にしていく必要がある。

それが私の幸せにも繋がるんだって。


その後、数十年が経ち、ケイコはもう78歳になってしまった(えっえっえ~早い)。

仲の良かったか悪かったか分からない夫には先立たれたが、体も精神もまだまだ丈夫であり大好きな仕事(?ホントはツライ食っていくため)も続けている。

この年でもこう元気なのは、今まで自分の気持ちを労わり大事にしてきたお陰だと思っている。

まだまだ雲の上へは行く気はない。だって自分で稼いでいて、若い人には迷惑かけていないと思っているんだもの。


・・終わり・・・


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