下着泥棒確保後の朝(ゆっくり朝食回ですか?)
権田川を捕まえた翌朝。
俺たちは自分の家に戻り、束の間の休息を満喫していた。
ただ、三日間を豪邸で過ごしたせいか、家のソファのチープさを実感させられた。霧ヶ峰先輩に頼んで追加で何泊かさせてもらえば良かった。
そんなこんなで、今俺たちはリビングでくつろいでいる。ちなみに、ラティは家に帰ってきてからすぐに料理を始めた。こいつはよほど料理にハマっているみたいだ。
「貴族の豪邸も良かったけど、やっぱり家が一番落ち着くよな~」
タカシはソファで横になり、伸びをしていた。
その気持ちは分からんでもない。旅行なんかに行っても結局家が一番落ち着いて寝られるというオチは何度も経験してきた。
今になって張り込み生活の疲れが一気に押し寄せてきた。俺も動きたくない。
「でもさー」
唐突にタカシが顔だけこちらに向けてきた。
「また分からんことが増えたよな。三日月商会の事とかなんも知らねーし」
「まぁな。俺たち昨日の夜までただの下着泥棒をおっかけてただけだし」
「ん? いや待てよ!?」
タカシはドヤ顔で指一本を立てた。こいつの突飛なひらめきは嫌な予感しかしない。
「こういう時こそ、あいつの出番じゃねーか?」
「......あいつ?」
「ソ☆ウ☆タ」
無駄にキラキラさせるな。
「さすがのソウタも三日月商会の情報は知らないんじゃないか? それに、あいつは魔力の研究に没頭してるんだぜ?」
「まぁそれはそうだけどよ。でも駄目もとで合いに行ってもいいんじゃね? 久々にソウタにも会いてーし」
「おまえ、どっちかというと後者が本音だろ」
タカシはニカっと笑う。
まぁいいか。あいつの顔も久々にみてみたいしな。
そんな話をしている中。
「んん~~いい匂いしてきた~! あんたたち、もう少しで朝食出来るわよ~」
キッチンからエプロン姿のラティが顔を出した。
いい香りはするのだが、如何せんこいつの料理は味が伴っていない。
「おぉ!? 朝飯!?」
タカシは跳ね起き、犬のようにキッチンへ飛びかかる勢いで立ち上がった。
「ちょ、まだ味見してないんだから勝手に来ないでってば!」
ラティはフライパンを片手に仁王立ち。
「おいタカシ~。ラティにもソウタの件話しておいてくれよ~」
「ちょっと待て、まずはラティの料理の生存確認からだろ?」
「ちょ、なにその言い方!」
ラティの拳が飛んでくるかと思いきや、急に真顔になった。
「ふん。文句があるなら食べなくていいのよ。あんたたちだけ絶食ね」
「ごめんなさい超期待してますはい」
絶食だけは回避したいのか、タカシは急におとなしくなり、そそくさとテーブルにつき、箸を握りしめて待機している。
俺もテーブルに着いてラティの料理が来るのを待っていると、タカシが俺にあることを聞いてきた。
「なぁ、ソウタって甘いもん好きだったっけ?」
「いや知らんけど」
「じゃあ差し入れは俺たちの特製タピオカで!」
黒歴史を掘り起こしてくるな。




