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腐れ縁の男子高生3人で異世界行ったら案外楽しかった件  作者: 秋川悠


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張り込み三日目突入(ついに姿を現します)

 結論から言うと、二日目の夜も何も起こらなかった。


 俺らの方の張り込みは、日中にぐっすり眠っていたラティが八割ほど見張りを担当してくれていた。

 

 まぁ、昼間に寝すぎて夜に眠れなくなったという方が正しそうだが。


 俺もちょこちょこ見張りをしていたものの、一日目と同じように時間だけが過ぎていった。


 ちなみに、前日同様に二日目の張り込み報告をタカシたちにしに行ったのだが、あちらも動きはなかったらしい。霧ヶ峰先輩がタカシの使えなさをぼやいていたが、いつものことだ。俺はスルーしておいた。


 というより、早く出てきてくれ、権田川さんよ。今日までで霧ヶ峰先輩は四百万ゼルの出費が確定してるんだぞ。

 

 しかもほぼボランティアみたいな形だから報酬も出ないし。


 マジで頼むよ……。


※※※


 三日目の夜。


 張り込み開始からまる二日が経った。

 例のごとく、俺は二階の寝室の窓際で、ラティと並んで外を見張っていた。


「……今日も現れそうにないかしら」


 ラティが欠伸を噛み殺しながら呟く。


 時計の針はすでに深夜を回っている。

 

 風の音と、近くを流れる川のせせらぎがかすかに聞こえる。

 

 夜風が木々を揺らしていた――そのとき。


 チリ……と、かすかな音が聞こえた。


「ん? ラティ、お前なんか踏んだか?」


「いや、踏んでないわよ。見ての通り、私はずっとここに座ってるし」


 チリチリチリ……


 ラティに問いかけてすぐに、再びその音が聞こえた。

 

 乾いた葉が踏まれるような、微かな足音だ。


 俺とラティは同時に顔を見合わせた。


「おい、聞こえたか?」


「うん。南側の庭の方から」


 ラティが指を鳴らし、魔力探知の術式を展開する。

 淡い光が彼女の周囲に広がり、空気がかすかに震えた。


「……ビンゴ。人間一人分の魔力が、屋敷の敷地内に侵入してる」


「来たか……!」


 俺は即座にランタンの灯りを消し、暗闇に目を慣らす。

 庭の奥、月明かりの中で黒い影がうろついていた。


 影は背を低くして、ゆっくりとターゲットの貴族宅の扉の方へ移動している。

 顔も服装も見えない。だが、その動きは明らかに怪しい。


「……どうする? すぐ捕まえる?」


「いや、もう少し泳がせよう。権田川だという確証が無い」


 そう答えた瞬間、影がぴたりと立ち止まった。

 なんとなくだが、こちらの方を見ている――そんな気配がした。


 そして、次の瞬間。その影は姿を消した。


「っ、消えた!?」


「透明化だわ! 姿が消えても魔力探知はまだ反応してる!」


 ラティが再び魔力を集中させると、空中に青い魔法陣が展開される。


 てかマジかよ。霧ヶ峰先輩の言ってた通り、本当に消えやがった……。


「まずい! 魔力の反応が屋敷の中に入ったわ!」


「すぐ追うぞ!」


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