運び屋バイト、未経験者大歓迎!(命の保証はないです)
張り紙に書かれた住所を頼りに、俺たちは街の裏路地を進んでいた。
「なんか…どんどん雰囲気やばくなってない?」
狭くて薄暗い道の先には、無表情な作業員が何人か、無言で木箱を運んでいる姿があった。
俺たちは気まずい空気を感じながら、そのまま受付らしきテントに近づく。
「あのー、バイト希望です…」
俺が恐る恐る声をかけると、奥にいた男が無言で指をさす。
その先には、雑に置かれた紙とペン。
《名前を記入》
《責任は自己で負うこと》
《報酬は作業後に支払う》
あぁ、普通にやばいなこれ。
「まあまあ、書くだけ書こうぜ!」
タカシはノリノリで名前を書いている。
こいつのこういうところは見習った方がいいかもな。
俺もソウタも仕方なく名前を連ねた。
バイトの内容は荷物の運搬、ただし運ぶのは、俺の身長よりもでかい“木箱”だった。
「これが荷物って、マジかよ…」
文句を言いながらも、俺たちは木箱を荷台に載せた。
運搬先は街外れの村らしい。
ちなみに、木箱の中身は明かされず、「落とすな。壊すな。運ぶだけでいい」とだけ言われた。
怖い…
***
荷物を運び始めて1時間ほどが経ち、俺たちは街と村のちょうど中間にあたる森の中を歩いていた。
「交代で運んでもさすがにきついな....」
タカシは汗を拭きながら言った。その時、
ガタン!
「…今、中から音しなかった?」
「いや、するわけ──」
ゴンッ!!
箱の中から何かが暴れてるような音がした。
「…これ、生きてるな」
俺とソウタは青ざめ、タカシはなぜかテンションが上がっている。
「ちょ、開けてみようぜ!!」
「やめろ!絶対やめろ!!」
タカシが荷台に乗って木箱を開けようとしたその時....
ギシィ……ッ!
木箱の蓋がゆっくり開いた
そして、中から出てきたのは…