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腐れ縁の男子高生3人で異世界行ったら案外楽しかった件  作者: 秋川悠


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研究所探索(バイオ〇ザードではありません)

 旧研究施設を上の階から探索することになった俺たちは、まず三階の部屋を片っ端から調べていった。


 机も棚も埃をかぶり、長年放置されたままの状態。依頼主の息子に関する手掛かりは一切見つからなかった。


 二階も同じだった。 ギルドから「魔物が住み着いている」との情報を受けていたが、今のところ影も形もない。正直、拍子抜けしたが、出ないに越したことはない。


「……あとは一階と地下フロアか。本当にここに迷い込んでるのか?」


 タカシが肩をすくめる。


「分からんが、探すしかないな」


 俺はそう答え、一階フロアの探索を開始した。


 そのときだった。


「……あれ、なんだ?」


 廊下の奥、地下へ続く階段の手前に、場違いなほど綺麗なハンカチが落ちていた。


 拾い上げると、白地に青い縁取りの布地には、小さく“リオン”と刺繍されている。


「リオン……依頼主の息子の名前じゃないか」


 胸の奥がざわつく。階段の前に落ちていたということは、まさか。


 俺はすぐに他の三人を呼び集め、ハンカチを見せた。


「ってことは、依頼主の息子は地下に行ったってことだな。急ごう」


 俺が言うと、ソウタも険しい顔で頷く。


「地下か……」


 ラティが不安そうに視線を落とした。


「地下フロアって何があるの?」

 

 階段を駆け下りながらラティが訊ねる。


「大昔の研究資料が保管されてるらしい。ミレイさんの話じゃ、今は誰も近寄らない場所だってさ」


 俺たちは、地下フロアへと続く階段を駆け足で降りていった。


 途中、壁の間隔はどんどん狭まり、ひんやりとした空気が肌を刺す。

 

 上階とは明らかに温度が違う。まるでこの先だけ、別の世界に繋がっているかのようだった。


 やがて階段を降り切ると、地下フロアの光景が目に飛び込んできた。


 そこは、上階とはまるで違う異様な雰囲気に包まれていた。


 床には割れた魔導装置の残骸が散乱し、壁には用途不明の魔法陣が複雑に刻まれていた。

 

 その魔法陣からは微かに淡い光が滲み出しており、かすかな振動のような音を立てている。


「……なんか、上の階と空気が違わない?」

 

 ラティが小声でつぶやく。声が反響して、かえって緊張感を増す。


「確かに……」

 

 ソウタも懐中時計型の魔力測定器を取り出し、針の動きを見て眉をひそめた。


「ここの魔力濃度、明らかに異常だね。この先に何かいるかも」


「おいおい、そんなことをさらっと言うなよ……。マジでここ大丈夫なのか?」


 タカシが苦笑混じりに言うが、口元は引きつっている。


 俺は壁際の装置を見ながら深く息を吸った。


 空気は重く湿っていて、埃っぽさよりも何か鉄臭い匂いが鼻をつく。


「とりあえず、リオンを見つけるのが先決だ。気を抜くなよ」

 

 俺が声をかけると、三人とも小さく頷いた。


 地下は一本道ではなく、複雑に枝分かれした通路が続いている。

 

 遠くの闇の奥からは、何かが擦れるような微かな音が聞こえた……気がした。


「……今、何か聞こえなかったか?」


 俺が足を止めると、全員の表情が一瞬で固まる。


「いや、気のせいだろ……?」

 

 タカシの声もどこか震えていた。


 息を呑むような沈黙が、狭い通路を満たしていた。


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