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腐れ縁の男子高生3人で異世界行ったら案外楽しかった件  作者: 秋川悠


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美味しい菓子はお好きですか?(アリステリア宅にも向かいます)

 アリステリア家への茶菓子を買うために、俺たちはギルドから二十メートルほどのところにある小洒落た店に来ていた。


 店内にはクッキーだけではなく、チョコレートやマフィンなど様々な菓子が並んでいる。

 どれもこれも包装が丁寧で、いかにも“贈り物向け”という感じだ。


 こういう時の贈り物ってどういうものが良いんだろうな……定番はやっぱりクッキーとか?それとも色々入ったアソート的なやつの方が外さないか?


 そんなことを考えていると、後ろからタカシのけたたましい声が聞こえた。


「おい!シンヤ!これとかどうよ!贈り物にはピッタリだろ? 普通に美味そうだし、あの人たち絶対喜ぶって!」


 声の主、タカシはテンション高めに自信満々の笑みを浮かべている。

 

 そして俺に差し出してきたのは、三色団子のような代物。ただし、串が妙にゴツくて剣のような形をしており、団子の色も赤紫・黄緑・真っ黒という不穏なラインナップだった。


「お前、子供にプレゼントを送るわけじゃないんだから……」


 自然とため息が漏れた。

 

 どうしてこいつはこう、何かしら外してくるのか。


 再び元から見ていた商品棚に目を戻すと、今度は隣からソウタの声がした。


「シンヤ、これいいんじゃない? 地元感が伝わって、色々想いも届きそうな気がするんだよね」


 穏やかに、どこかふわっとした空気で、ソウタは鳥のような造形をしたまんじゅうを手に取っていた。


 まぁ、気持ちは分からんでもないけど……名古屋にはカ〇ルまんじゅうってのがあるけどさ、それのパチモンをアリステリア家に持ってって、愛着も何も湧かないだろ……てか、お前はどんな想いを伝えるつもりなんだ。


 心の中でツッコミを入れながら、ソウタの提案もやんわり却下。


 そして俺が再び商品棚へ視線をやると、間髪入れずにラティが話しかけてきた。


「シンヤ、これどう? 贈り物にピッタリじゃない?」


 もう勘弁してくれ……そう思いながらも目をやると、差し出されたのは豪華なアソート菓子セットだった。


 ……おいおい、ラティ、センスあるじゃんか


 箱には焼き菓子、ゼリー、ナッツ系など、色とりどりのスイーツが詰められており、包装も上品だ。


「よし、これにしよう!」


 即決した俺に、タカシが不満げな声を上げる。


「えー! 俺のかっこいい剣の団子セットじゃダメなのか!?」


「お前のは論外だ。異論は認めない」



※※※



 贈呈用の菓子を買い終わった俺たちは、アリステリアの住むギルバルト家に到着していた。


 アリステリア捜索の時に門番とも顔見知りになっていたおかげで、特に待たされることもなくすんなり中に通される。


 それにしても、何度見てもでけぇ家だよな……


 中に入ると、メイドさんたちが出迎えてくれた。

 

 この辺の歓迎ムードにはまだ慣れないが、こういう扱いをされるとちょっと嬉しいのが本音だ。


 そんなことを考えていたとき、階段からアリステリアが降りてきた。


「あら? シンヤさん?今日はどうなさいまし……って、タカシ様も一緒ではありませんか!?」


 アリステリアはタカシの姿を見るなり、嬉しそうに駆け寄ってきたが、


「はいストップ」


 その動線上に、ラティがすっと割り込んでくる。

 

 ナイス、ラティ。お前がいなかったらこの屋敷が修羅場になってたかもしれん。


「えーっと、アリステリアさん……ギルバルトさんはいらっしゃいますか?少し頼みごとがありまして」


 そう言って、俺はアリステリアに菓子折りを手渡す。


「お父様なら、今は会社の方と会議をしておりますわ。あと三十分ほどで終わると思いますので、話は通しておきますわよ!」


「突然押し掛けたのに、何から何まで……すみません」


「いえいえ! 全く問題ありませんわ!」


 ほんと、できた人だな……



※※※



 ギルバルトさんを待つ間、俺たちは客間に通された。


 そして、ここでもお茶と高級そうな菓子が振る舞われる。


 俺たちが持ってきたやつより絶対高そうなんだけど……さすが上流貴族……


 ちょっとだけ自信を失いつつ、まったりと時間が過ぎるのを待つ。


 やがて四十分ほどが経った頃、ギルバルトさんが現れた。


「皆様、お待たせしてしまい申し訳ありません。本日はどのような件でしょうか?」


 俺は背筋を伸ばし、少し緊張しながら伝える。


「あのですね……実はセドリックさんに会ってみたくてですね……」


 その一言に、ギルバルトさんの眉がピクリと動いた。


「セドリックに会いたい?……もしかして、君たちも政略結婚候補なのかね?」


「「「違います!!!」」」


 その場にいた全員が思わず声を揃えた。


「お父様!? やめてくださいまし!」


 アリステリアが真っ赤になって止めに入るが、ギルバルトさんは笑いながら続ける。


「ハハハ、冗談だよ。しかし君たちなら悪くないな……」


 いや、冗談が怖いんだよな……


「二日後にセドリックとアリステリアの婚約前の社交パーティがあってな。そこで君たちがアリステリアのボディガードとして同行すれば、セドリックに会えるぞ」


 なるほど、その場なら直接会えそうだな。


 こうして俺たちは、二日後にあるパーティにボディガードとして参加することになったのだが...


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