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腐れ縁の男子高生3人で異世界行ったら案外楽しかった件  作者: 秋川悠


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はじめての閑話(ほぼ無駄話です)

※タピオカ屋が閉店し、野宿をしている時の暇な3人がただ無駄話をしているだけのエピソードです。


 ――王都の片隅。舗装の甘い石畳と、壊れかけのベンチの上。日も傾きかけた頃、俺たち3人は、特に意味もなくダラダラと座っていた。


「はぁ、タピオカ屋も潰れちまったし、次はどうするか...」


 俺はため息交じりに呟く。


「まぁ、何事にも終わりは来るもんだぜ」


 気だるげにベンチの上で寝転びながらタカシが言う。


「そういえばさ、お前、なんで小遣い750円なんだよ。母ちゃんに頼んでもっと増やしてもらえよ」


 俺が素朴な疑問を投げかけると、タカシが苦笑しながら答えた。


「いや、もともと月に5000円貰えてたんだけどさ~、その小遣いをゲーセンで一日で使った事がバレてよ...」


「一日でゲーセンに5000円使うって...あれか?クレーンゲームしまくったのか?そんなにほしい景品あったのかよ」


「いや、全部メダルゲームで使った...」


「はぁ!?5000円分のメダル買ったのか!?どんだけメダルゲームしたいんだよ!」


「俺の好きなゲームがメダルゲームになってたんだよ!それでどうしてもジャックポットに入れたくて有り金全部突っ込んだんだよ!!」


「はぁ、相変わらずバカだなお前は...そんで、そのジャックポットは入ったのか?」


「ラスト100枚で入ったよ、あの時は高校受かった時より嬉しかったな~」


「嘘つけ」


 俺が即座に否定すると、タカシはドヤ顔で話し続ける。


「いやマジだって!そのジャックポットのおかげで最終的には3000枚くらい払いだされてさ、そのメダルを店に預けたわけよ」


「……あー、店によっては1か月くらい預け入れできるところあるよね~」


 妙に詳しいソウタがフォローを入れる。


「まぁ、結局2か月くらいゲーセン行かずに、そのメダル失効しちまったんだけどな」


「勿体ないな、それでお前の5000円は失効したわけか...」


「まぁそういうことだ」


「てか、なんでそれがお前の母ちゃんにバレたわけ?」


 俺が聞くと、タカシはなぜか胸を張って答えた。


「いや、それがさ、ジャックポット入ったのが嬉しすぎて、それを母ちゃんに話したんだよ。そしたら母ちゃんがブチぎれて、小遣い減らされたってわけ」


「お前、ほんとにバカだな...」


 呆れていたら、タカシは何かを悟ったような顔で言った。


「まぁ、月750円でも意外と何とかなるもんだぜ。ス〇キヤのラーメンは食えるし、他の奴らの分を少し分けてもらえばいい」


「お前ちっとも反省してねーな、てかお前、謎のス〇キヤ推しがすごいな」


 俺が言い終わらないうちに、タカシが急に大声を出す。


「ス〇キヤは名古屋のソウルフードなんだよぉぉぉ!舐めんな!」


「急にデカい声出すなバカ!あと、別にス〇キヤのことは舐めてはねーよ!」


 あまりの騒がしさに、近くで鳴いていた鳩が一斉に飛び立った。


 ――そんなくだらない会話をしていると、静かだったソウタがふと口を開く。


「ラーメンで思い出したけど、バスレーン沿いにあったラーメン屋、潰れたらしいよ」


「マジかよ...あそこのラーメン結構好きだったんだけどな~、特段美味いわけじゃなかったけど、店の雰囲気とか好きだったんだよな~」


タカシがしみじみと語る。


「まぁ、俺らが行くときは他の客いなかったしな。それが逆に落ち着いた雰囲気で良かったんだよな」


 俺がタカシの意見に同意すると、ソウタがボソッと何か言い出した。


「そういえば、あのラーメン屋での思い出って、タカシが好きな女優の話を永遠と聞かされる事しかないんだけど...名前はなんていったっけ、山田あんことかいう女優の話」


「……あー、あれだっけ、車のCM出てた人だよな」


 ソウタの記憶に俺が補足を入れる。


「そうそう、その人の話をラーメン食べながら永遠と聞かされてた」


「あー、そういえばそんなこともあったな~」


 タカシが物思いにふけっていると、ふと俺が妙な違和感に気づく。


「あれ?お前が好きな女優って新牡蠣結衣あらかきゆいじゃなかったっけ?俺にもその女優のこと永遠と話してたぞ」


「え、タカシ、二股かけてたの?」


 ソウタの言葉に俺も深くうなずく。


「おいお前、どっちかはっきりさせろよ」


「そうだよタカシ、人生には重要な選択を迫られる時がきっと来るんだよ」


 ソウタがぽつりと、妙に深い顔で呟いた。


「……こんなことで“人生の分岐点”迎えちゃっていいのかよ…俺の好きな女優は...広瀬ベルだ!」


 その瞬間――。


 ぐぅぅぅぅ……


 ソウタの腹が、妙にタイミングよく鳴った。


「……飯、どうすっか」


 何気なく呟いた俺の一言で、俺たちのくだらない会話はあっさり幕を下ろした。


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