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腐れ縁の男子高生3人で異世界行ったら案外楽しかった件  作者: 秋川悠


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決勝戦と記憶(賞金は出ません)

 俺たちの枕投げ大会は、想像以上に白熱していた。


《第二試合:シンヤ 対 タカシ》


 試合開始と同時に、タカシが吠えた。


「おらぁシンヤァァァッ!! 全力で来い!!」


 投げられた枕は、先ほどソウタを沈めた“スライダー回転枕”。


「またそのパターンかよ……!」


 俺はタカシの枕に対応できず、左肩に直撃した。


「タカシ、一点追加!」


 観客などいないはずなのに、ソウタのジャッジの声がやたら実況っぽく聞こえる。


 すかさず俺はカウンターを入れ、投げた枕がタカシの肩口にヒットする。


「くっそ、当たったか……!だったら!」


 タカシは明らかに“顔面三点狙い”に切り替えてきた。


 しかし、こっちも負けていられない。


 タイミングをずらして投げた低弾道の枕が、タカシの顔面をかすめる。


「ぐわっ! く、くらった……!」


「顔面ヒット、三点入ります!」


 ソウタの声に、タカシがうめく。


 試合終了間際、タカシも反撃を見せ、俺の太ももに枕を当てて一点を返したが、最終スコアは4対2で俺の勝利。


「へっ、勝負は冷静さだよ冷静さ」


「クソっ! 今のは完全に“ピロークラッシュ”が足りなかった……!」


 いやピロークラッシュって何だよ。


《第三試合:シンヤ 対 ソウタ》


 最終予選、勝てば決勝進出が決まる大事な一戦。


「よろしくね、シンヤ。今日はちょっと……本気出してみようかな」


「お、おう……?」

 

 なんだその強キャラみたいなセリフは...

 

 ソウタは開始と同時に、しなやかな動きで枕を投げてきた。


 回転していない、が、空気を巻き込んでゆっくり沈む――“羽根舞い”かよ!


「甘いっ!」


 俺はそれを無理やりキャッチして1点ゲット、すぐさま反撃。


 枕を速球で投げたが、ソウタはフニャッとしゃがんで避ける。


 次の一撃、ソウタが俺の隙を突いて投げた枕が顔面にクリーンヒット。


 これで一気に三点。


 「うおっ! くっそ、やるじゃねえか……」


 その後も互いに一進一退の攻防が続いたが、試合終了間際、俺の枕がソウタの肩に当たってギリギリで1点追加。

 

 最終スコア:シンヤ 5点、ソウタ 4点。

 

 なんとか逃げ切り、俺は二勝で決勝進出を決めた。


「ふぅ……ソウタ、お前マジで油断できねぇな……」


「ううん、楽しかったよ……でも次は絶対勝つからね」

 

 この枕投げ大会に次はあるのだろうか...


※※※



「では、決勝戦を開始します。お互いの枕を確認して、自身のフィールドに向かってください」


 ソウタが試合前のアナウンスをし、お互いのプレイヤーが枕を確認し、フィールドに向かう。


「結局、決勝で戦うのはお前だったか。そんな感じはしてたぜ」


 タカシは決め顔で俺にそう言ってきた。


 まぁ参加者三人だし、そんな運命的みたいなノリで言われても特別感ないんだよな...

 

 そうは言っても、部屋は静寂に包まれ、緊迫した空気が流れていた。

 

 ソウタが聞いたことのないくらい裏返った声で試合開始の合図を告げる。


「始めっ!!」


 先制攻撃を仕掛けたのはタカシの方だった。

 

 早速タカシの得意枕であるスライダー回転のかかった枕を俺にめがけて投げるが、俺はそれを読んでいた。


 狙いすましたように枕をキャッチする。


「タカシ、甘いな、お前の考えてることなんてお見通しなんだよ」


 俺は挑発するように言ってみせた。


「くっ、これならキャッチ出来ねーだろ!」


 すかさずタカシがもう一つの枕を投げる。

 

 今度は枕を回転させず、枕が空気を受けるような投枕とうちんをしてみせた。


「そんなへなちょこな枕、余裕で取れ......何っ...!」


 油断した俺の膝にタカシの投げた枕が当たる。


「俺の目の前で減速して...枕が落ちただと...」


「へへっ!フォークボールの応用で枕に回転をかけずに、空気を当てることでそうなるんだよ!まぁこんな枕も取れないなんて、失望し...ブォッ....」


 タカシがドヤ顔で俺のことを挑発していると、とてつもない速さの枕がタカシの顔面を直撃する。


「バーカ!お前はすぐ油断する癖があるからな!その瞬間を狙えば得点は稼げるってわけだ!」


「クッ...お前ずりーよ!ゼッテェーに許さねぇぇ!」 


「顔面ヒットォォッ!これは痛い!しかし三点の価値アリィィィ!」


 ソウタのキレのある実況が部屋に響く。


 こいつ、こんなデカい声出せるんだな...


 残り時間は一分を切り、同点の均衡した状態となっていた。


「クソっ!残り時間も少ねーし、アレで決めるしかないか...」


 タカシが手持ちの枕を持ち、俺を見ながら呟いた。


 アレってなんだ...まさか、ここに来てあの奥義が出るのか...


 ってこの光景、前にも見たことがあるような...

 

 ――待てよ、この感じ、以前にも……


 タカシが繰り出そうとしている奥義が、過去にとんでもない事態を引き起こしていた事に...

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