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腐れ縁の男子高生3人で異世界行ったら案外楽しかった件  作者: 秋川悠


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愛か、金か(まさかのラブコメ展開です)

「どうか……どうか、わたくしと結婚してくださいませっ!!」


 タカシの情けない叫びが森に響き渡ってから、五分が経過していた。

 

 このカオスな状況を脱するため、俺はソウタとラティにそっと声をかけ、いつぞやの変人エルフと初対面をした時のように森の木陰に集合させた。


 タカシにはアリステリアの相手をさせるため、あえて声をかけなかった。

 

 すまん、俺たちのために、純粋ピュアなお嬢様の相手をしてやってくれ...


※※※


 木陰に集まったタカシを除く3人は、今後の方針について話し合っていた。


「なあ、あれって本気だよな……?プロポーズ……」


「どこからどう見ても本気でしょ。目がキラッキラしてたし」


「タカシの顔、土でドロドロだったのに……あれにときめくのか……」


「むしろ、その土まみれな勇姿が刺さったのかもね」


 ラティが呆れ気味に言い、俺は額を押さえる。


「……よし、一回整理しよう」


「はい、依頼内容の確認からいくよ」


 ソウタがすかさず風呂敷から依頼書を取り出し、読み上げた。


「『貴族街より姿を消した令嬢・アリステリアの捜索と、身柄の確保』。報酬は……1000万ゼル」


 俺たちは無言で頷き合う。


「で、問題はその“令嬢”が、今タカシにガチで恋してて、求婚してきたってことだ」


「僕たち、協力はするって言ったよね。でも婚約破棄するだけならまだしも、タカシが婚約相手になると話が違うよね...」


 ラティが神妙な表情になる。


「……うん、ちょっと協力の範囲を超えてるわよね...本人が自由になりたいってのは分かるけど……」


 ソウタがぽつりとつぶやいた。


「僕たち、身柄を引き渡すだけで1000万ゼルもらえるんだよね......」


「お前、それはあまりにも......」


「だって、だってさ、ここで“恋の応援”しても金にはならないよ?」


 確かにそうだが、なかなか嫌なこと言ったなこいつ...

 タピオカ屋の件以来、ソウタがやたらと金に執着しているのが気になる...


「じゃあ、こうしよう」


 ラティが声を低くして提案する。


「身柄は引き渡す。ただし、アリステリアの“婚約相手はタカシがいい”って希望は、黙っててもらう」


「なるほど、引き渡し時には婚約の話が継続していることになるわけか」


「うん。それなら依頼達成にはなるし、アリステリアがタカシのことをどう思ってるかは……まあ、個人的な事情ってことで」


 俺はしばらく考えて、渋々頷く。


「それが一番現実的だな......。タカシには後で説明しよう...」


 そう言って木陰を抜けると——


「うわああああ!?ちょ、アリステリアさん、顔近っ!え、ちょ、手!手ぇ握らないで!心臓止まる!!」


「そんなこと言わないで、わたくしと一生をともにしてくださいませぇ♡」


 相変わらず二人はイチャイチャしていた。

 

 さて、ここからどうしたものか。


 とりあえず、タカシとアリステリアさんにさっき話した方針を説明しておくか...


※※※

 

 話し合った内容を二人に共有すると、


「なるほど!そうだったのですね!わたくしはタカシ様と結婚できるなら何だって構いませんわ!」


 たぶんこの人、何にも分かってないな...


 タカシも頭を搔きながら俺たちの説明を聞いていた。


「まぁ婚約破棄に協力するって言った手前、断るわけにもいかねーもんなぁ。ひとまずアリステリアさんを王都に帰すかー」


「ちなみに、お前はアリステリアさんに気はあるのか?」


 俺は声を潜めてタカシに聞いた。するとタカシも、小さく囁くように答えた。


「いやー、気持ちは嬉しいけどよ、流石に会って数時間のやつに告白されても返答に困るだろ...」

 

 まあ、そりゃそうだろうな。

 

「あのー、アリステリアさん...何でタカシなんですかね...?」


 俺は心の底からの疑問をそのままぶつけてみた。


「だって!わたくしを抱きかかえて命を救ってくださった王子様なのですよ!しかも魔物まで倒されて...!こんなお方、他におられませんわ!」


「でも…こいつ、バカですよ?」


「構いません!!」


「ドジで何にも考えてないようなアホですよ?」


「構いません!!」


「おまけに今日、靴を左右逆に履いていたような奴ですよ?」


「構いませぇぇぇーん!!わたくしはタカシ様がだいダイ大ダイ好きなのです!!」

 

 アリステリアはこれ以上ない笑顔で、愛を爆発させた。 


 やっぱり説得は無駄か...

 純粋系ヒロイン恐るべし... 


「てかお前言いすぎだろ!流石に俺でも傷つくぞ......」


 タカシが泣きそうな顔で俺の肩を揺すりながら言ってきた。


 すまんすまん、厄介ごとを未然に防ぎたいが故に言い過ぎてしまった。


 まあとにかく、今後の動きは決まったわけだが...


 ——まさか、この協力関係がとんでもない結果を招くとは、このとき誰も予想していなかった...


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