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腐れ縁の男子高生3人で異世界行ったら案外楽しかった件  作者: 秋川悠


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20/85

異世界でも試験はあります(魔法は苦手です)

 翌朝…

 

 広場に張ったテントから、ギシギシと音を立てて這い出た4人。


「うわ…顔がむくんでる…」


「「ソウタ、寝袋で寝ると浮腫むタイプなのか」」


「この程度の野宿で浮腫むなんて、あんたら駄目駄目ね。行きましょう!ギルド!冒険者の第一歩よ!」


 寝起きとは思えないほど爽やかに伸びをするラティ。流石は異世界のエルフ、こういう生活には慣れてるのか?いや、こいつが特殊なだけか。

 

 そして、案の定タカシのテンションも高かった。


「お前ら、準備はいいな? 今日から俺たちの異世界生活が始まるぞ!!」

 

 異世界生活はすでに始まっていた。

 ただ、俺たちがこれまでやっていたことに異世界要素が無かっただけだ。

 

※※※


「おお…ギルドだ…」

 

 目の前にそびえる石造りの立派な建物。

 入り口の看板にはでかでかと——


《ギルド協同組合 本部》


「…なんか、協同組合ってつくだけで一気に生活感出ないか?」

 

 確かに、農協みたいだな。ギルド米とか売ってないだろうな。

 

 中に入ると、空気が一変した。

 酒、歓声、怒号、受付の怒鳴り声、バケツを蹴飛ばす音。情報量が多すぎる。


「…わ、すごい…マジでRPGだ…!」


 受付前で列をなしている新人冒険者たち。

 その中をスッと抜けて、俺たちの前に現れたのは——


「失礼、登録をご希望の方でしょうか?」

 黒髪を一つにまとめたクール系美女。

 しかも、声まで美しい。惚れそうだ。


「お、俺たち…冒険者になりたくて…」 


「あれ?もしかして、昨日までタピオカ屋やってた方々、ですか?」


「あっ、やっぱバレてる!?」

 

 あんな騒動があったせいか、俺たちはこの街でちょっとした有名人になっていた。

 

 彼女――ミレイと名乗ったその女性は、少しだけ笑みを浮かべた。

「ご安心ください。履歴は問われません。ですが、冒険者登録には試験がございます」


「え…?試験…?」


 タカシの顔が青ざめ始めた。


「はい、試験でございます。最低限の魔力耐性、運動能力、知識力、簡易戦術判断、最低でも模擬戦闘までがセットとなっております」

 

 俺たち、こっちの世界でも試験受けるのかよ。どの世界でも試験というものは厄介なものだな...

 とはいえ、ここで逃げたら野宿生活が続くだけ。


「「やるしかないか…」」


「はぁ、試験受けなきゃダメですか…?」


「受けないとダメですね...」

 

 あからさまにタカシのテンションが下がっていた。

 こいつ、中学の頃から定期試験は赤点しか取ってなかったしな。

 てか、何でこいつ俺らと同じ高校に入れたんだ…


「私、魔法以外なら自信あるわよ!」

 ラティはこぶしを胸に当て、任せなさいと言わんばかりの表情を浮かべていた。お前魔法苦手なのかよ。

 

 こうして、俺たちの次なる目的地は“適性試験会場”となった。

 今度こそ、まともに“異世界らしいこと”をやれるといいんだが…

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