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腐れ縁の男子高生3人で異世界行ったら案外楽しかった件  作者: 秋川悠


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19/85

野宿からのリスタート(いよいよギルドに行きます)

 タピオカ屋は、あっけなく潰れた。

 

 撤去された屋台の跡地を一瞥してから、俺たちはその場を離れ、町外れの広場まで歩いていた。

 

 地面は草と土。周囲には木々がちらほら生えており、ここなら夜でも誰にも邪魔されずに済みそうだ。


「…とりあえず、ここにするか」

 ソウタがかつてタピオカ屋経営中に“念のため”と購入していた激安テントを取り出す。


「まさか、本当に使う日が来るとはな…」

 タカシが虚空を見つめながら、ぺたんと座り込んだ。

 テントは4人用と書かれていたが、明らかに狭い。


 中に全員入ると、ソウタの膝がラティの顔に当たり、タカシは足をはみ出して寝るハメになった。


「…ちょ、顔近い」


「ごめん、足が収まんない」


「というか、何で私まで同じテントなのよ!」


「仕方無いだろ、宿は金かかるし、野宿が一番安上がりなんだよ!」

 

 まあ、タカシの言い分は分かるが、こんなポンコツ男子3人と一緒に寝る羽目になった女性キャラもなかなか可哀そうだぞ。ラティ、すまんな...

 

※※※

 

 静かになった空間で、タカシがつぶやく。


「3週間前まで、日収50万ゼルだったんだぜ…」


「それが今じゃ、寝袋生活か…」

 

 ソウタが寝返りを打つたびに、テントがきしんだ。

 残った資金は、15万ゼル。

 タピオカ屋が大繁盛していた頃なら“装飾費”で消えそうな額だが、今の俺たちにとっては“生き延びるための命綱”。


「「このままじゃマジで底をつくぞ…なんか手、考えないと」」

 異世界、思ったよりシビアすぎる。


「…なあ、俺たちさ」

不意に、そんな言葉がタカシの口からこぼれた。


「「ん?」」


「異世界に来てから、何か“異世界っぽいこと”したっけ?」

 

 沈黙。


隣の寝袋で寝ていたソウタがごそりと身を起こし、真顔で言った。

「…してないね」


「「タピオカ売って、営業許可なくて、人を発光させて、金取られて野宿してるな」」


「っていうか、日本にいたときの文化祭とやってること変わってなくね?」


「むしろスケールだけ派手になって損してるっていうね」

 

 しばしの静寂のあと、俺がぽつりと呟いた。


「「…ギルド、行ってみるか」」


「おお、いいね」


「異世界ならギルドは定番だろ!」

 

 テンションが上がったタカシが寝袋を蹴り飛ばして立ち上がる。


「おいシンヤ、明日行こうぜ! ギルド! ダンジョン! 冒険者!」


「「急に単語だけ並べるのやめろ。なんか怖いから」」


「でもまぁ、生活の糧は必要だし…稼げる手段が見つかるといいなー」


「ラティ、お前も来るだろ?」


「もちろん行くわよ!タピオカ屋の雪辱を果たさないといけないし!」

 

 まあ、タピオカ屋が潰れたのは自業自得なんだけどな。


「よし!じゃあ明日から冒険者生活の幕開けだ!」

 

 異世界転移から約1ヶ月。

 ようやく、俺たちの異世界生活が“それっぽく”なってきた気がした。

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