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腐れ縁の男子高生3人で異世界行ったら案外楽しかった件  作者: 秋川悠


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救世主、アリステリア様(タカシも大活躍です)

 タピオカ屋開店初日。

 

 開店と同時に客が殺到…なんて展開はなかった。

 現実はというと、客足はチラホラ。

 老夫婦が物珍しそうに買ってくれたり、近くの屋台の店主が冷やかし半分で注文してくれたり。


「でも、まあ、初日にしては悪くないよな」

 とタカシは言うが、どことなくテンションがいつもより低い感じがした。

 

 まあ、あんなに張り切ってたし、この状況が歯痒い気持ちは分かる。

 

 そんなとき、やけに上品な装いの少女が、護衛らしき男を連れて屋台に立ち寄った。少女は顔の上半分を覆う程のサングラスをしていたため、どんな顔をしているか分からなかった。


「…あの、これが“タピオカ”というものかしら?」


「はいよっ、お嬢さん。世界初、もちもち食感、ラティの愛情入りまくり!」


「愛情は抜いてください」


「あ、はい...」

 

 そして──

 少女は静かに一口飲み、「…これは、面白い味ね」とだけ言い残して去っていった。


※※※


 翌朝。


「おい、なんだこの行列!?」


「いや…俺もびっくりしてる」


「え、今日なんか祭りだったっけ?」


「「ちょ、ちょっと聞いてくる!」」

 

 先頭にいた少年に何が起きてるか尋ねると、

「昨日、この街の貴族様──アリステリア様が、“今日絶対行くべき屋台”って紹介してたんだ!日記で!」


「「日記!?」」


「アリステリア様の“公開日記”だよ!街の読み書きできる人なら大体見てる!」

 

 …なるほど、それか。


「てかアリステリア様って誰?」

 

 タカシが小声で聞くと、ラティが呆れたように言った。


「あんたら、ほんとに何も知らないのね…この街の有力貴族の娘よ。言ってみれば“インフルエンサー”みたいなものよ」

 

 ──あ。

 ここで俺は思い出す。

 昨日、バカデカいサングラスしてた女の子、あれがアリステリアだったのか。

 

 そんなことを思い出していると、タカシのスキルパネルが反応した。

 

『お知らせ:前日にスキル”幸運(笑)”が発動しました』


「「アリステリアが来たのって、まさか...タカシのスキルか...?」」


「やっぱ発動してた!?ね、してたよな!?」


 ...まじか、お前と友達で良かったよ...


※※※


 そして2日目の営業は、怒涛の大盛況だった。


「はいよー!タピオカTEA一つ!お釣りいらないよっ!」


「え、マジ!?神かよ!」


「次の方〜!ラティちゃんの笑顔はサービスだけど、おかわりは有料で~す!」


「ラティ可愛い!推せる!」


 なんかそっち系の客層が増えてきたな…

 ラティは完全に接客担当、ソウタは会計と仕込み、そしてタカシはなぜか呼び込みとチラシ配りをしていた。


「“幸運(笑)”のチラシ配布だァ!!さあ来い未来の信者たち!!」

 変な勧誘も混じってる気がするが、スルーしておこう…

 

 そんな感じで、2日目は大盛況だったが、ふと思った。

 1杯1000ゼルの価格設定で、これだけ多くの人に買ってもらえてるってことは、利益はどれくらい出てるんだ?


 そんなことをふと思い、マーケティングなどの戦略周りを一任してるソウタに聞いてみた。 

 

「利益率はほぼ100%だよ、タピオカ無料でもらってるし、水も町の井戸から引っ張ってきてるからコストはほぼゼロだね」

 

 ──おい、マジかよ。

 なんか逆に怖くなってきた。

 

 そう、俺たちは異世界でとんでもないビジネスモデルを確立しつつあった。

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