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天才ヒロイン正式加入です(ちなみに自称です)

「それじゃ、改めて自己紹介といこうか」


 エルフの壮大な夢を聞き終わった俺たちはエルフを囲んで座っていた。


「俺はシンヤ。こいつがタカシで、お前の後ろにいるのがソウタだ」


「私はラティよ!ここから離れた森の街出身のエルフ!」


「森の中に街があるのか?」


「そうそう!基本的にそこにはエルフしか住んでいないの!」


「そういえば、何で木箱の中に入ってたの?もしかして人身売買的なやつだったりする…?」


「いや違うわよ、私があまりにもお腹が減っていたから、もともとこの木箱に入ってた果物を食べちゃったのよ。そしたらいつの間にか梱包されてて」


 ああ、こいつダメなやつだ...

 俺らよりもヤバいやつかもしれない...


「てか、お前が食った荷物、どうすんだよ…俺たちそれを村に運ばなきゃいけないんだぞ!」


「そこらへんになってる果物を箱に詰めときゃいいじゃない!これとか私が食べたのそっくりだし!」


 そう言うや否や、ラティはどこからか果物を集めてきて、せっせと木箱に詰め始めた。


「ほら!あんたらも早く詰めて!」

 

 まあ、それで切り抜けられるなら仕方ない。

 癪だけど、こいつに乗るしかなさそうだ。


***


 木箱にダミーの果物を詰め終えた俺たちは本来の目的地である村に向かい、無事荷物を届け終えた。

 

 幸いにも、荷物の受取人はその場で中身を確認しなかった。

 

 街に戻った時には夕方になっており、俺たちは再び仕事の受付をしたテントに赴いた。


 受付の人に運搬が終わったことを知らせると、

「おい、あんちゃんたち、最初に来た時にそんなエルフ引き連れてたか?」

 

 やばい!完全に忘れてた...


「いやー、運搬中に怪物に襲われそうになって、それをこのお姉さんに助けてもらったんですよ~!」

 

 苦しい...非常に言い訳が苦しい。こいつに命を救われたなんて嘘をつかなきゃいけないなんて屈辱的だ....


「そうなのか、災難だったな。ほれよ、これ今日の報酬だ」


「おお!ありがとうございます!」

 

 俺は受付の強面男から布袋を受け取った。


 テントから出て中身を確認すると、そこには2万ゼルが入っていた。


 2万ゼル。バカみたいに多い。俺らが最初にもらった活動資金より遥かに多い...

 あのケチ女神、覚えてろよ。


「うお!こんな貰えんの?!」


「そりゃそうよ、あんたらが受けた運搬業務のルートって、魔物がうじゃうじゃいるところだったもん」

 

 え、そんなこと聞いてないんだけど。


「まあ、あんた達はたまたま無事だったって感じね、タカシのスキルが役に立ったみたいね」


「え?俺のスキル?なんだっけ?」

 

 そういえば、こいつのスキルって“幸運(笑)”だったような。


 嘘だろ....俺たちはこいつに救われたのか、いつも間抜け面のこいつに...

 

 そんなことを考えていると、タカシはニヤッと嫌な笑みを浮かべていた。


「なあ、今回のバイトは俺のスキルで無事だったみたいなところもあるじゃん? ということはだな、もちろん分かってるよな?」

 

 タカシは手をゴマすりしながら俺たちを見つめていた。

 

 はぁ...また嫌な予感がする...

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