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すぐそこに

今回はもう1人の少女のお話です。

 今日はたまたま一人だった。授業が少し早めに終わり私は帰る身支度をする。教科書を手提げに詰め席を立つために顔を上げる。いつもの顔ぶれが2人目の前に待ち伏せていた。

「今日は図書委員の仕事ないの?」

「今日はないよ」

私は図書委員でありいつもは放課後、図書室門番となるのが日課だ。別に決まりは無いのだけど自主的にやっている。何かと便利だからだ。私はどちらかと言うと友達はいる。学校で話す程度の友達なら数人いる。私自身深くは関わりたくない性格で図書委員である事を理由に遊びは断ってきた。要するに1人が好きなんだ。多分。

「まじか!でも今日は私達がダメなんだよなぁ」

「うん」

「それは残念」

「なんか嬉しそうじゃないか?」

「なんか嬉しそう」

そんな顔に出ているだろうか。

「そんな事ない」

「うーむ?」「うーむ?」

それにしてもこの2人いつも一緒にいて容姿とか雰囲気は真逆な気がするんだけど、こう言うのを阿吽の呼吸というのだろうか。

「何か用事があるんじゃないの?」

「そうだった早く行こぜ!これから私たち映画デートなんだ」

「うん、行こデート」

でっでデート?まぁ女の子同士でもいい方を変えれば?デートとも言える。のか?私には関係ないと思いつつも顔は正直だったと思う。

「じゃまた明日な」

「また」

私は手を振り返すことで答えた。明日は土曜日で休みなんだけどな。私もそろそろ帰ろうと次こそ席を立つ。廊下に出ると窓から桜の花びらが舞う。せっかく少し前に清掃を行ったというのに。前髪など整えても無駄だと春の風に教えられる。それでも私は足掻き続けるのだけれど。2人と話をしていたからか廊下には私しかおらず何人かちらほら教室に残っているのを横目に見る。靴箱に上履きを片付け歩きやすいことだけで選んだ運動用の靴。長いこと履いているからよく私の足に馴染んでいた。

「よいしょ」

置いてある椅子に座りながら靴をはき変える。家までは歩きで30分はかかる。バスという手もあるが雨の日以外はなるべく歩くようにしている。健康第一。景色を見ていると30分という時間は意外と短い。心が安らぐと言えばいいのだろうか、歩くことはそういう意味でも私は好きだ。ヒュルル、強い風が吹く。私の整えた前髪には粘り強さはない。私と同じく。目の前が真っ暗になる。

「ぐぇ」

何か紙のようなものが顔に風で押し付けられる。アニメでしかみたことないような状態に思わずびっくりし尻もちをついてしまう。痛い。プリントのような物を手に取り内容を見る。どうやら数学の宿題のような物だった。誰かが落としたのだろうか。私は尻もちをつきながら辺りを見渡して落としたと思わしき人を探し出す。2階の窓から身を乗り出している黄金色の少女に目が移る。外国人だろうか。別に私の学校は髪色などの校則はないので一概には言えない。

「あなたのですか?」

「ごめんなさい風で飛んでいってしまって、今取り行きます」

どうやら取りに来るらしい。逆光でよく見えなかったが喋り方から考えても私と同じ国の人間だと私は思った。突然のことで理解していなかったがどうやら私はびっくりしすぎて腰を抜かしてしまったらしい。情けない。というかあたりの目線が、恥ずかしい。そんな気持ちとは裏腹に一向に立つことはできず私は彼女が来るまでこのまま待つことになる。たまには地面に座るのも悪くない…。

「なんだかなぁ」


前の話をちょくちょく直しながら次の話を書いたりしているのでお話しが繋がらない場合はそんな理由です。あと私の能力不足です。

楽しんでいただけたら嬉しいです。

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