放課後ルーティン
初めまして。良ければ読んでみてください。
チャイムがなり帰る身支度を整える。クラスの人達は各々部活やらカラオケやらこれからの予定の話をしていた。各々出て行ってしまった。教室に残っているのは私みたいな変わり者と物好きだけだった。教科書は教室から出てすぐ目の前に並んでいるロッカーにいつもしまっている。私の通学用リュックはいつも軽い。朝はあんなに重く感じたのに。机の中の教科書をロッカーに、次の日使用する教科書と入れ替えるのだ。使う時に持ってくればいいなんて野暮な考えはやめてほしい。なんか嫌なんだ。なんかわからないけど私が私であるためのルーティンみたいなものだからとやかく言われるのはお門違いって話だ。
「うーむ」
今日の授業の話を思い出す。確か数学に課題が出てたような気がする。数字の羅列が私の瞼を重くする。その微かな記憶のなかに課題という言葉を私は印象的にそして頭の片隅に残っていた。要するに嫌だったから印象に残って、嫌だったから頭の片隅に無意識に追いやっていたのだと冷静になるとわかることもある。数学自体は好きだが、先生が苦手なんだ。人を見下しているような話し方。確かにあなたはいい大学を出て…この話はやめよう。私の心まですさんでしまう。課題はやる。やらなければ見せしめに何をされるかわからないから。確かプリントを渡されたような。
「おっとこれこれ」 「あっ」
プリントから手が離れる。これも無意識に自ら手を離したように思えた。ヒュルルル、窓が空いていた。春の風の悪戯なのかはわからないがそれは空を舞い桜の花びらのように窓から落ちていく。それを私は黙って見守ることしか出来なかった。そのプリントは下校中の彼女めがけて落ちていく。花瓶とかじゃなくてよかったとそんな事を考えている間に数ある選択肢の中からプリントは彼女を選んだ。彼女の顔にプリントは当たったのだ。彼女も最初はびっくりして尻もちをついていたがすぐに状況を理解したらしいあたりを見渡し廊下の窓から身を乗り出している私を見つける。
「あなたのですか?」
「ごめんなさい風で飛んでいってしまって、今取り行きます」
この際だから今日は教科書を入れ替えないで帰ってしまおうか。私は急いで教室に戻りリュックを手に取り背中に背負った相変わらず軽いリュックだ。私は風よりも早く廊下を走り去っていく。一刻も早くこの教室から、学校から逃げるように。
お話の続きはゆっくり書いていきたいです。
よろしくお願い致します。