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排斥
「君さえ、いなければ」と思う重い。
重い荷を背負ったままで、君は生きていく。
「あなたが私を苦しめている」と君は私を責める。
二人は互いに愛し合いながら、お互いを繰り返すカルマの相手だと認めあう。
「あなたは、私から逃げるために、アショーカ王の説く教えに逃げる」
君は、西の宣教師を求め、彼の主を最愛と呼ぶ。
お互いに相手の尊敬する神とその使いを「異形」と呼び、魔族と蔑む。
そして、その神々や御使いらは、その背後で、二人を憐れみ、雲となりやがては消え去る冷気のように、見えない涙を流している。