事件1 都市伝説
ゲーム用シナリオ4
「イベント成功だな。」
彗星を見た感動も冷めやらぬ中で、俺が言うと
「いや、ほんと曇ってて、ダメかと思ったけど、なんとか彗星が見れてよかったよ。」
ほっとした顔で、孝弘が言った。
(選択肢)
孝弘に麦茶を渡す
孝弘に麦茶を渡さない→孝弘死亡
麦茶がない→孝弘死亡
天文学部の一大イベントが無事終わり、屋上の柵に寄りかかって座り込んだ友人に、ばあちゃんの麦茶を紙コップに入れて渡した。
「あ、俺、さっき先生からもらったお茶があるから…」
ペットボトルを持って、孝弘が言う。
「まあいいじゃん。こっち、持って帰るの重いから、飲むの付き合って。」
「俺が持って帰ることになるんだけどな。」
苦笑しながらも、付き合いの良い孝弘は、紙コップを受け取って、素直に飲んだ。
(選択肢)
イベントの片付けを手伝う
イベントの片付けを手伝わない→孝弘死亡
「まあ、ちひろちゃんには、片付け手伝ってもらってるし。」
「そうそう。で、あとこの機材を、視聴覚室に運べばいいんだよね。」
「おう。一緒に運んでくれるとありがたい。」
今日のイベントの様子を記録するため撮影するのに借りた機材を、視聴覚室に返しに行けば終わりらしい。
参加した生徒たちは、もう全員帰り、天文学部の女子も夜遅いと言う理由で、先に帰らせたため、残っているのは、俺も含めて、ここには3人しかいない。
一緒に残っていた天文学部の部長は女子たちを送っていって、自宅が遠いので、そのまま帰ることになっている。
(選択肢)情報
先輩に声をかける
先輩に声をかけない
「お疲れ様です。」
すぐ近くで、ゴミを集め終わった2年の先輩に声をかけた。
孝弘も気付いて言った。
「先輩、家遠いですから、あとは俺と鈴原でやっときますよ。」
「えっ、いいのか。なんか悪いな。」
「後で奢ってください。」
「ははっ。いいよ、鈴原くんもありがとう。ごめんね、部員でもないのに手伝ってもらって。」
「大丈夫です。俺は孝弘に奢ってもらうんで。」
「そうか。清水よろしく頼むわ。」
「ええっ、俺が鈴原に奢るの決定なのっ!?」
「ははは」
(選択肢)情報
先輩にクラスメイトのことを聞く
先輩にクラスメイトのことを聞かない
「そういえば、先輩、工藤どこ行ったか知ってますか?」
工藤は、天文学部の1年で、俺と孝弘のクラスメイトでもあるため、俺も知っている部員の1人だ。
「なんか、先生に呼ばれて行った気がするけど、帰ってきてないね。家から連絡あったのかも。帰ったのかな。」
「そうですか。」
「じゃあ、先に失礼するね。」
先輩は、手を振って帰って行った。
「じゃ、そろそろ視聴覚室行こうぜ。」
視聴覚室の鍵を持って、孝弘が言った。
視聴覚室に着いたが、ドアが少し開いて光が漏れていた。
「誰かいるのか?」
孝弘が独りごちて、俺たちは一旦機材を廊下に置いて、ドアから中を覗き込んだ。
鮎川先生がいた。
「なんだ、先生か」
(選択肢)
孝弘を止める
孝弘を止めない→バッドエンド
ドアを開けて入ろうとする孝弘の腕を掴んで、俺は咄嗟にドアを開けるのを止めた。
「どうした?」
孝弘が怪訝そうに俺を見る。
「声は出すなよ。」
と、孝弘に囁きながら、視聴覚室の壇上にいる先生の足元を指さす。
さっきまで一緒に星を見ていた工藤が、ありえない角度で折れ曲がって倒れている。
その横に鮎川先生が何もせずに立っている。
「えっ、な…んん!?」
声を上げかけた、孝弘の口を塞ぐ。
先生が顔を上げてこちらを見た。
混乱した状態で、孝弘は俺の手を振り払おうとした
(選択肢)
口を塞ぐ手を退ける→バッドエンド
口を塞ぐ手に力を込める
俺は口を塞ぐ手に力を込めた。
「待て。見てみろ、先生の目を」
「…!!!」
孝弘の顔がみるみる蒼白になっていく。
「逃げるぞ。」
孝弘の腕をぐいっと引っ張るとその場から駆け出す。
やばい、やばい、やばい
紅く光る双眼
あんなの都市伝説だと思っていたが、本当だったのか?
先生は追ってくる様子はない。
だが、いたのはバレている気がする。
そして伝説が本当なら、あんな化け物から逃げ出せるものなのだろうか。
いや、できるかどうかではない…
逃げれなければ、殺される。俺たちも、あんな風に…
不自然な方向に折れ曲がって、床に倒れていたクラスメート。こちらに向けられた空虚な目。
ぞくっ
背筋に冷たいものが走る。
4階から一気に駆け降りたので、玄関に着いた頃には、息が上がっていたが、構わず外に向かって走る。
門のところに目を向け、絶望的な気分になった。
「そんなに急いで、どこに行くんですか?」
にこにこしながら、鮎川先生が声をかけてきた。
(選択肢)
「もう、イベントも終わったから、帰るんです。」
何も言わない
玄関から門まで、誰もいない。でも、門から出れば公道だ。もしかしたら、誰か通りかかるかもしれない。
平静を装いながらも、手が震えている。
先生が近づいてくる。
どうしたらいい?
(選択肢)
先生の横を通りすぎる→バッドエンド
学校内に引き返す
だめだ。このままだとやられる。
孝弘に
「逃げるぞ」
と囁いて、全速力で校内に戻った。
「清水くん、止まってください。」
「…!!」
「振り返るな、このまま走れ、孝弘!」
振り返りそうになった孝弘に怒鳴る。
あの目を見てはだめだ、絶対に!
「…おかしいですね、せっかくお茶をあげたのに…」
意味不明な言葉をぶつぶつ言っているのが、微かに聞こえたが、すぐに追ってはこないようだった。




