事件1 回想
ゲーム用シナリオ2
奇妙な夢を見た。
母が泣いていた。
母さんは、人族でとても綺麗な人だった。
真っ直ぐな黒髪で、日本人形みたいに凛としてたとよくばあちゃんはいうが、俺はいつも楽しそうに笑っている優しい母さんの面影の方が残っている。
人族は寿命が長いはずなのに、身体が弱く、俺が8歳の時に病気で亡くなった。
俺の父親は、鬼族だ。
種族違いの異種婚は、親戚との関係も難しく、父方の祖父母と俺は会ったこともない。
父と母は種族を超えての大恋愛だったと、俺が小さい時に母さんが嬉しそうに言っていた。
だが、父親は母さんが死ぬ少し前から行方不明で、母さんの葬式にも来なかった。
母さんが死んでからは、俺宛に生活費が振り込まれるだけで、電話の一本もかかってこない。
どこで何をしてるかもわからない。
唯一、父親の弟で、鬼族の診療所をやってる俺の叔父が、あいつと時々連絡を取ってるらしい。
まあ、もうどうでもいいことだけど。生活費だけもらえれば、それでいい。
「鬼族は寿命が短いから、もうくたばってるかもな。」
一人ごちて時計を見たら、もう7時30分だった。
ハッとして飛び起きる。寝過ごした。もう、夕飯を食べる時間もない。
制服のまま寝ていたので、そのまま財布と定期入れを掴んで部屋を出た。
玄関でばあちゃんから、呼び止められる。
(選択肢)
無視する→水筒を渡されない
無視しない→水筒を渡される
「ちひろちゃん、これ持っていって、友達と飲みなさい。」
お茶の入った水筒と紙コップの入った紙袋を渡されて、受け取った。
「こんな夜更けに大丈夫?」
ばあちゃんの心配そうな声に
「じゃあ、行ってくる。」とだけ応えて、家を飛び出した。




