事件1 プロローグ
ゲーム用シナリオです
ねえ、知ってる?
1年B組の桜井さん、一週間お休みだったらしいんだけど、行方不明なんだって。
あとさ、2年の先輩にも急にいなくなった人いるんだって。
ええっ、大変じゃん、それ。
どこ情報よ?
職員室でたまたま聞いちゃった子がいるらしいよ。
ええ、ほんとかなあ。
本当らしいよ。友達の友達から聞いた話だもん。
「今日も誰かが言ってた、そうらしいよ…と曖昧なソースに踊らされた人間が、そこ此処にいるよね。」
「相変わらず辛辣だな、ちひろちゃん」
「チャン付やめろ」
いつも通りの放課後。
帰り支度を終えて、立ち上がった俺に、孝弘が声をかけた。
「ちひろちゃん、今晩の彗星を見る夕べはくるよね。」
「チャン付やめれば行くよ。」
「待ってるぜ、ちひろちゃん」
「…おまえな…」
俺がちひろという名前と女顔で、昔から「ちひろちゃん」呼びされてたと言った途端、これだ。
孝弘とは中学に入ってからの友達だ。孝弘は、
学年1位の成績で、しかも気さくに誰にでも親切なので、1年にしてあっという間に、クラス委員や生徒会書記など、学校のカースト上位に食い込んだ猛者だ。
なんでこんな奴と友人なのか、本当に不思議だよ。
奴が清水で、俺が鈴原で、出席番号順の席がたまたま前後していたのが、知り合ったきっかけだ。
「じゃあ、8時に学校の正門前な。」
「おう。」
孝弘と別れて、帰路につく。
孝弘は天文学部なので、今晩のイベントの準備があるらしい。
自宅の近くで、スマホを片手にうろうろしている女性がいる。
(選択肢)
様子を見る
→道に迷っている様子なので声をかける→道を教える
→もう少し様子を見る→誰かが助けてあげてる
声をかける→道を教える
無視して、家に帰る
(声をかけるを選択)
道を教えるのに、スマホで地図を見せた。
顔が近くなり、見惚れてしまう。
すごい美人だな
「ありがとう。助かりました。」
にこりと微笑まれて、顔が熱くなった。
そのまま、女性は顔を近づけると、耳元に
「君、夜は気をつけてね。」と囁いた。
「え…」
顔を上げた時には、もう女性の姿が消えていた。
え、今の女性はなんだったんだ。
キツネにつままれた気分になりながら、自宅に帰った。
玄関から入って、居間をみるといつものとおり、ばあちゃんがテレビを観ている。おばあちゃんが俺に気づいて、「おかえり」と声をかけた。
「おやつあるよ。」
ばあちゃんは、中学生の俺のことをいつまでも子どもだと思っている。
「ばあちゃん、俺、夕飯食べたら、もう一回学校に行くから。友達と一緒。」
ばあちゃんが何か言っているが、聞こえないふりをして、階段を駆け上がった。
部屋のベットにぼすんと身を投げ出して、そのままうとうとと目を瞑った。




