4月7日 白百合
4月7日
白百合
しらゆり
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4月7日 白百合
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学園に併設されているチャペルでは、毎週日曜日の朝に礼拝が開かれていた。
洗礼式を終えた学生ばかりではないので、礼拝への出席は義務ではなかった。
しかし、学生の多くは、その清廉な雰囲気を良きものと受け止めており、単純に憧れのようなものを感じて、信者でないのにもかかわらず、欠かさず礼拝に参加する者までいた。
若く、まだ夢見がちな世代にとって、形というものは、想像を遥かに超えて影響を持つ。
美しく清い、は至上の価値を持つと疑わわぬのである。
いずれ、それが現実の前に脆くも壊れることになるのであるが、学園は、一種、隔離された世界であった。
外の世界とは異なる価値観が、容易に蔓延し、それに酔うことが許された楽園。
白百合たちは、今日も集い、高らかに神を讃える歌を歌うのだった。
写真は、テッポウユリの花。
白百合の花のようなわずかに黄緑が入った白色。
極めて西洋的な色名で、かつ、乙女な感じがするのです。
でも、ユリの花って、実は、日本の山野に自生する種も多いのですよね。
ヤマユリ、ササユリ、カノコユリ、テッポウユリ、スカシユリ、クルマユリ、オニユリなどなど。
日本のユリが西洋に渡って品種改良が進んだようなのです。