4月5日 青藤色
4月5日
青藤色
あおふじいろ
#84A2D4
R:132 G:162 B:212
4月5日 青藤色
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天から降りそそぐ青紫のシャワーが、2人の未来を祝福しているかのようだった。
心配された天気は、昨日までの雨が嘘のように晴れ渡り、大勢の参列者も皆、笑顔であった。
俺は、立て続けにシャッターを切る。
2人はゆっくりと左右の知り合いに軽く頭を下げつつ、進む。
最高の笑顔だ。
俺は、ファインダーを覗きながら、再びシャッターを切った。
何か青いもの。
それは、この庭の藤棚に咲き誇る満開の藤の花。
よくぞ散らずにいてくれた。
俺は、雨に濡れながらも、今日、この日、豪勢な房を保ち続けた青紫の花に感謝した。
中学以来の悪友は、俺に向かって片手を上げてみせた。
にやけやがって。
そのだらしのない顔は、ばっちり証拠写真に残しておくからな。
俺は、隣で微笑む本日の主役を中央に、悪友をぎりぎり入る位置にと構図をすばやく決め、シャッターを切った。
写真は、藤。
青みの強いうすい青紫色。
藤原の藤ですから、歴史的にも長そうですね。
何か青い物っていうのは、聖母マリアの青が由来らしく、本当は目立たないところに付けるのだそうです。
何か古い物、何か新しい物、何か借りた物とあわせて、サムシングフォーと称され、花嫁が身に付けておくとよいとされています。