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3月20日 古代紫
3月20日
古代紫
こだいむらさき
#895B8A
R:137 G:91 B:138
3月20日 古代紫
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その昔、奈良に都があった頃、紫の色は貴重な色じゃった。
貝から採れる紫の色の素は、ほんのちょっと。
草の根からも紫の色の素が採れると分かったけれど、やっぱり貴重な色に変わりはなかったのじゃ。
のちに紫の草がたくさん茂る場所が見つかって、江戸ではさほど貴重な色ではなくなった。
しかし貝の紫は変わらず貴重な色じゃった。
貝の紫には特別な守りの力があったから。
貝の紫で描かれた星と格子の印は、海で力を発揮する。
深い水底、竜宮の城へと引き込まれてしまわぬように。
セーマンドーマン、不思議な力。
貝の紫、古来の力。
写真は、紫色の和傘。
日本古来のくすんだ紫色。
日本でも貝紫は使われていたようですが、奈良時代ころまでにムラサキソウの根を用いる染色が主となり、貝紫は廃れてしまったようです。
三重県志摩の海女の間では、海での安全を祈願する目的で、貝紫で星型印や格子型印を描く風習があるそうです。