3月14日 スカーレット
3月14日
スカーレット
Scarlet
#E23620
R:226 G:54 B:32
3月14日 スカーレット
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相変わらず緋色の髪の女剣士は、その健啖家ぶりを発揮していた。
世の中には、夏バテっていう季節病で苦しむ人間も大勢いるってのに、どうなってるんだ?
俺は、ただただ呆れ、いや感心するばかりだった。
なにせ、彼女のテーブルには、既に左右に食べ終わった皿がちょっとした高さにまで積み重なっているのにもかかわらず、今また新しい皿が追加で並べられていっているのだ。
緋色の髪はきちんと纏められ、食事を邪魔する気配も無い。
もう全身全霊、全力で食に向かい合っている。
そんな様子なのである。
やる気というか、食う気満々な様子で、ナイフとフォークを手にしているが、あくまでも優雅に口に運ぶその様は、ある種の芸当もしくは芸術といっても良かろう。
あぁ、今週の食費はまた随分と嵩むなぁ。
俺は、感心しつつも、財布の中身を確認して溜息をついた。
仕方がない。ここは一つ大物を狙って、珍しい魔物が棲むという神秘の森へ出かけることにしよう。
明日にもギルドへ、討伐依頼、出来れば採取依頼を確認しにいかないと。
誰か、魔物がドロップする貴重材料を欲しがっていたりしないかな?
金を持っていそうな宮廷魔導士や魔術道具職人が、時々、こっそり、募集してたりするらしいんだけど……。
それが、例のスカーレットアイビスとの出会いのきっかけになるとは、その時、俺は、まったく予想だにしていなかったのだった。
写真は、ショウジョウトキ。
炎の赤色。
ペルシャ語で茜染めの高級織物を意味する言葉が語源という説が有力。
しかし、欧州では、アカネでなくケルメスやコチニールによる赤色だった。
ショウジョウトキは、南米の北部の沿岸部に分布するペリカン目トキ科の鳥。
英語名がScarlet Ibis(スカーレット アイビス)。
特に、ファンタジー小説等に登場した形跡はない。
(猫が、勝手にそれらしく書いただけ……。)