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3月10日 シグナルレッド

3月10日

シグナルレッド

Signal Red

#E8383D


R:232 G:56 B:61

3月10日 シグナルレッド

*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*


今日はついていない。

ぎりぎりか? っていうところで、信号が変わってしまう。

そして、ここでも。


溜息が出そうになる。

後ろに立つ電柱の所のスイッチボタンを押す。


すぐ隣にいる少年が不安そうに見上げて、そして言った。

「大丈夫ですか?」


私は、苦笑いをしていただろう。

「ここね、青になるまでが長いのよ。」

そう、ここの押しボタン式の歩行者信号は、スイッチボタンを押してもかなり長く待たされる。

押したのにもかかわらず、まったく変わらない信号の色に苛立って、結局渡らずに歩き出す人も珍しくない。

それどころか、無理やり、赤のまま渡ってしまう人すら……。


しかし、今日は、おとなしく青になるまで待たなければならない。

なぜなら、すぐ隣にいる少年を置き去りにするわけにいかないからだ。

少年は、父の会社の社長の孫なのである。

どういうわけか、その社長の孫は、ことあるごとに私の前に現れるのだ。

無体にはできない。そんなことをしたら、父の首元が危うくなる。


「一緒にいられる時間が長くなって、嬉しいです。こういう時の信号待ちって、いいですよね。」

少年の口から、信じがたい言葉が漏れた。何を言っているのだ?

挿絵(By みてみん)

写真は、歩行者自転車専用信号機。


信号機に使われる鮮やかな赤色。

赤は、視界の中で遠くからでも小さな点で識別しやすいという特性があります。

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