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3月3日 鴇色

3月3日

鴇色

ときいろ

#F4B3C2


R:244 G:179 B:194

3月3日 鴇色

*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*


その昔、鴇はそれほど珍しい鳥ではなかったらしい。

というより、多すぎて、田畑を踏み荒らすので、「害鳥」扱いの嫌われものだったらしい。

新潟県に伝わる鳥追歌で、スズメやサギと一緒にトキも「一番憎き鳥」とされている。

江戸時代には、駆除の申請を出したという記録も残っている。


しかし、気が付けば、鴇は幻の鳥になっていた。

日本の鴇は絶滅し、中国に残っていた個体を引き継いで繁殖させている。


昔は、渡りもあったのではないかという話だ。

とすれば、群れになって飛んでいたのだろうか?

群れ飛ぶ鴇が見せる翼のピンク色で、さぞかし、美しい光景が見られたのであろう。

それも現在では幻の光景だ。残念なことである。


今、まだ、鴇が普通にいたならば、やっぱり、嫌われていたのかもしれない。

ヒトというのは勝手なものだから。

失われて初めて、その価値を惜しむ。寂しがる。


そして、嫌っていた人達は、何を想うのだろう?

大切な田畑を守るため。おいしい米を一粒でも多く収穫するため。

必死になって追い払ったその人達。

野生の鴇が絶滅したと報じられた時の、複雑な感情を考えると、とても切ない。


ほどほどって大事だと、つくづく思う。

自分も相手も、周りのみんなも、うまく共存するために。

美しいピンク色が、普通にある世界。でも、それ一色に染まるのも違うと思う。

相手を黙らせることが勝ちだとか、自分の立場だけを主張すれば良いだとか。

白か黒か、それしか無いってつまらない。

挿絵(By みてみん)

写真は、トキ。


トキの風切羽根の色。

紫に近い淡いピンク色。

朱鷺色や桃花鳥色と表記することも。古名は鴇羽色。

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