2月4日 紅藤色
2月4日
紅藤色
べにふじいろ
#CCA6BF
R:204 G:166 B:191
2月4日 紅藤色
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むか~し、むかし、但馬の国(現在の兵庫県の北部)に、 伊豆志袁登売という名の大変に美しい娘がいたそうな。
多くの若者が、結婚を申し込みましたが、心の優しい彼女は、皆を傷つけたくないと、全て断ってしまいました。
それでも諦めきれない者がおりました。春山之霞壮夫という男でした。
この男、母親に、どうしたらよいか相談に行きました。(マザコンかいな?)
すると母親は、藤の葛を採ってきて、一晩の間に衣と袴と靴を織って作り、さらに藤の弓矢も作りました。
そして、これらを春山之霞壮夫に着せ、弓矢を持たせて、伊豆志袁登売の家へと送り出しました。
衣服や弓矢は藤の花になってしまいました。
そして、春山之霞壮夫は弓矢を、伊豆志袁登売の家の厠の扉に立てかけました。
伊豆志袁登売は、その弓矢に咲いた藤の花を不思議に思って、家の中に持って入りました。
すると、春山之霞壮夫はすぐ後に、伊豆志袁登売の家へと入り、……。直ちに結婚と相成りました。(犯罪じゃないのだろうか?)
写真は、フジの花。
赤みのある藤色。
江戸時代に登場した色名だそうです。
藍で薄浅葱に下染めし、その上に紅花で染めるという工程だったようですが、後には、高価な紅花ではなく、蘇芳を使うように変わりました。
本文は、『古事記』にそういう話があるんですが……。
フジは、その昔、花を愛でるだけでなく、ツルの部分を繊維として利用していたということみたいです。
フジのツルやツルから作った繊維で織った衣服や弓矢が、フジの花に変わったというのは、どうも、春山之霞壮夫が透明人間になったようなイメージらしい。
で、オートロックのマンションにコバンザメして侵入するのと同じ方法を採ったようです。(やっぱり犯罪じゃん!)