11月14日 ガンメタル
11月14日
ガンメタル
Gunmetal
#55461B
R:85 G:70 B:27
11月14日 ガンメタル
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幸いにも雨は上がっていた。
なんとか、駅まで行けそうだ。
私は、雨に濡れた歩道をとぼとぼと歩く。辺りはもう暗くなっている。
車道を走る車はライトを点けている。
後ろ側から照らされ、影が伸びる。そして水たまりの水を弾いて、追い抜いていくのだ。
何台もが、そうやって通り過ぎていくのを見送りつつ、私は、俯きながら歩道を歩く。
通りの向こうに駅の建物の一部が見えてきたところで、ガンメタルの鈍い光沢がすぐ脇を通り抜け、少し手前で停まった。
クラクションにハッとした。顔を上げた私の視界に入ってきたのは、見知った顔だった。
「なんで? どうしてここにいるの?」
知っている限り、その男の家の方角は逆のはずだ。
「送って行こうと思ってたのに、雨が上がったとみたらすぐに飛び出してくんだもん。シャットダウンに時間かかっちゃって、追い付けるか心配したんだからね。」
すっかり懐かれてしまったようだ。まあ、こんな日は助かるんだけれども。
「ありがと。」
私は、ドアを開けてナビシートに座り、手を伸ばしてシートベルトを引っ張った。カチャンという音が鳴るの待って、車は発進したのだった。
写真は、メタリックカラーの車。
スズ8~12%を含む青銅の色。
西洋で大砲の鋳造用に盛んに使われたので砲金と呼ばれたそう。
色の解釈に幅があるのか、暗い灰色からブロンズ色寄りのものまであり、バースデーカラーの16進数表示に沿うと、ブロンズ色に近い色が表示されます。




