10月19日 銀鼠
10月19日
銀鼠
ぎんねず
#AFAFB0
R:175 G:175 B:176
10月19日 銀鼠
*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*
子どものころ、「金色」と「銀色」は、ちょっと特別だった。
折り紙のセットには、他の色が5枚ずつとか複数あったのに、「金色」と「銀色」は1枚ずつしか入ってなかった。
あれは、少ない上に、「失敗ができない」という困った色だった。
他の色の紙は折り目がそれほど目立たないが、「金色」と「銀色」は折り目が妙にくっきりと入ってしまって目立つのだ。出来上がりの状態になった時、変なスジが入らないように、単に紙の端を合わせる位置の目安を知るための折りは、わざと全部折らないようにしたり等、工夫が必要だった。
色鉛筆にも、「金色」と「銀色」があった。
といっても12色セットには入っていなかった。
文房具屋さんに行くと、補充用の色鉛筆が単品で売られていたが、その単品の色鉛筆が立てられた棚には、12色よりも、もっと多くの色の鉛筆が入れられていた。
その中に、「金色」と「銀色」もあった。
思い切って1本だけ、「銀色」の色鉛筆を買ったことがある。
12色セットの箱には入れるスペースが無かったから、普通の筆箱の中に、その「銀色」は入れられた。
はじめて削った時、そして紙に、その色を引いた時は、どきどきした。
が、「銀色」の色鉛筆で書いたはずなのに、書かれた線は「銀色」には見えなかった。
それは、「ねずみ色」と大して差がないように見えたのだった。
写真は、カラーパステル。
銀色を帯びたような少し明るい鼠色。
「銀色」と「金色」の色鉛筆、ひょっとしたら他の色の鉛筆よりちょっとだけ値段も高かったかもしれない。
なんだか、腑に落ちない感じが残ったのだけは確かです。