9月15日 褐色
9月15日
褐色
かっしょく
#8A3B00
R:138 G:59 B:0
9月15日 褐色
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綺麗に焼けたカステラ生地の表面はムラの無い褐色だった。
2枚の丸い皮の間に、甘さ控えめのあずき餡が挟まれている。
近所の和菓子屋で売られているどら焼きである。
薄い紙の包装に包まれたそれは、決して高級品ではないが、上品な感じのする特別なおやつだった。
祖母が、お茶の稽古に行く日のお土産が、決まってそのどら焼きだったからだ。
僕は、祖母が、月に2回ほど、和服を着こみ出かける日があって、帰りに和菓子屋に寄って、どら焼きを買ってくるのを知っていた。
たまには、違うものを買ってきてくれたらいいのに、と思わないこともなかったが、どら焼きは美味しかった。
祖母の想い出のどら焼きは、今も和菓子屋で売られている。
作っているのは、当時の主人の孫であるが。
味は受け継がれているようである。
何より、そのカステラ生地、皮の部分の焼き色が美しいのは、さすがだと思うのだ。
写真は、どら焼き。
「褐」は、もともとゴワゴワした粗末な衣装という意味で、褐のような黒ずんだ茶色を褐色と呼ぶようになったそうです。
江戸時代までのどら焼きは、今のものとはかなり違っていたようです。
今のどら焼きは、西洋のホットケーキの強い影響を受けていると言われています。