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9月7日 淡水色

9月7日

淡水色

うすみずいろ

#6EBDC2


R:110 G:189 B:194

9月7日 淡水色

*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*


森の中を抜けると、そこには、湖があった。

精霊の血をひく少女の他には、誰も知らない、誰も辿り着くことのできない湖だった。

透明で淡い水の色を湛えたその湖の畔は、少女の休息の場であった。


少女は精霊の血をひく存在である故、街中の雑踏の中の、ふとした悪意に消耗してしまうのだった。

少女は時折、人の群れる場所から離れ、密かに森を訪れ、そして森の奥の深い深い場所を抜け、この湖の畔までやってくる必要があった。

この湖の場所を探り当てたのは、偶然ではなく、少女に流れる精霊の血が導いたからであった。


静まりかえった湖の畔に、1本の倒木が横たわっていた。

そこが、少女の指定席だった。少女は、倒木のベンチに腰掛け、履いていた靴を脱いだ。

柔らかく茂った草の絨毯が、解放された裸足に心地よい。

そして、湖面を吹き渡る風の声を聴いていた。


湖に他の者が辿り着けない理由の一つが、風の精霊による守りの力であった。

風の精霊が発する特殊な波長の「唄」が、人を攪乱し、湖への道へ近付けさせないのだった。

しかし、少女の耳にその「唄」は、ただひたすらに美しく、流れるように聴こえるのだった。

挿絵(By みてみん)

写真は、北海道の青い池。


水の色の淡い青緑色。


写真の「青い池」は北海道上川郡美瑛町白金にある人造池の通称です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 綺麗な池! 針葉樹が北海道らしい。 お話も綺麗な掌編ですね(^^)
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