8月30日 ウルトラマリーン
8月30日
ウルトラマリーン
Ultra Marine
#356CAC
R:53 G:108 B:172
8月30日 ウルトラマリーン
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あの海の向こうには何があるのか?
きっと、もう何千年、いや何万年も前から、人類は、それぞれが生まれ落ち、育った場所に最も近い海岸から海を見て、考えたことだろう。
海を越えてやってくる何ものかを待ち侘び、逆に、怯え、遠いまだ見ぬ世界を想像したことだろう。
海を越えてやってきた青。
青には、そのままの意味の名前が付けられた。
ロマンティックな響きの青。
鮮やかで、高価で、多くの者を魅了した奇跡の青。
その色はラピスラズリという宝石の粉。
まるで魔法の呪文のような。
星が瞬く夜空のような深い青。
その青がもたらすものは幸いか? 呪いか? それとも……。
そこにあるのは、今も残る青い夢の残滓。
写真は、ラピスラズリ。
無機顔料の一種でその青色。構成成分はアルミニウムとナトリウムのケイ酸塩に硫化物イオンや硫酸イオンが混じったもの。天然にはラピスラズリの主成分として存在します。
海を越える、を意味します。
天然ウルトラマリーンの原料となるラピスラズリは、ヨーロッパ近郊ではアフガニスタンのみで産出、地中海を超える海路で運ばれたため、「海を越えてきた(青)」と呼ばれたのです。