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7月31日 プルシアンブルー

7月31日

プルシアンブルー

Prussian Blue

#044D78


R:4 G:77 B:120

7月31日 プルシアンブルー

*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*


「ねぇ、なんで、サッカーの日本代表のユニって青色なの? 日本の国旗って赤白じゃん。」

人の部屋にやってきて早々、勝手に、テレビで試合の中継を見ているのは、愛しの彼である。


「ねぇったらぁ~。」

こっちの問いには答えようともせず、夢中で画面の中のボールを目で追っている彼。

なんなの? いったい。


「ちょっと、聴いてる?」

私は、イラっとなって、彼の肩を揺する。


「あぁ、もう、いいところなんだから! ちょっと待ってろよ。」

彼の口から出たのは、それだけだった。

こっちを向け!

私は、心の中で呪文を唱える。


「で、何だって?」

ようやくハーフタイムになったところで、彼が私の方に訊いてくる。

要するに、私の言葉なんて、ちゃんと聴いていなかったわけだ。


「なんで青色なの? って訊いた。」

私は、思いっきり省略して訊いてやった。


「ジャパンブルーだからに決まってるじゃん。」

「なんで、日本が青色なのよ? 国旗に青色なんか入ってないじゃん。」

「……。」

言葉に詰まる彼。


「なんでなんだろうな? でも、日本を象徴するのは青色みたいだぜ。あ、サムライの着てる服が青なんだったかな?」

結局、理由なんてよく分からないのだった。

挿絵(By みてみん)

写真は、葛飾北斎の『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』。


18世紀初頭にドイツ(当時のプロイセン)で発明された青色無機顔料の暗い青色。

直訳で、プロイセンの青。

別名ベルリン青。さらに、ベロ青、ベロ藍とも呼ばれた。

歌川広重や葛飾北斎の作品に印象的に用いられたことから、広重ブルー、北斎ブルー、ジャパンブルーなどとも呼ばれる。


つまり、ドイツで発見された化学合成による顔料が日本に入って、浮世絵に用いられ、明治以降に、その浮世絵が欧米に知られるようになって、「日本の青」と呼ばれるようになったという……。


もっとも、日本には藍染の青もあったので、そちらと混同された部分もあると思われる。


2019年、産業技術総合研究所などの研究グループが、この顔料としてのプルシアンブルーを利用した脱臭剤を発表。活性炭よりも5~100倍効率が良いとされている。

この脱臭剤が吸着するのはアンモニアだが、単に臭いの問題だけでなく、窒素肥料の増大による環境汚染、増えすぎた窒素酸化物、いわゆるPM2.5の除去の切り札として期待されている。


◇◇◇


サッカー日本代表のユニフォーム、赤と白がベースになっていた時代もありました。

しかし最近では、青ですね。

また、1930年に大日本蹴球協會(現日本サッカー協会)が初めて日本代表選手を編成した時のユニフォームは薄い青色だったそうです。主力メンバーの過半数を東京帝国大学(現東京大学)の学生が占めていたため、東大のシンボルカラー青が使われたというのが有力な説です。

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