7月29日 セルリアンブルー
7月29日
セルリアンブルー
Cerulean Blue
#008DB7
R:0 G:141 B:183
7月29日 セルリアンブルー
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まだ、私が小学生だった頃、当時はインターネットなんてものはなく、言葉を調べるとしたら、とにかく辞書という時代だった。そして、日本語ならばともかく、英語、さらには英語以外の外国語などは、なかなか調べようもなかった。
既に、身の回りには、いろんなカタカナ言葉が溢れていたが、意味も分からず使っていた、なんていうこともしばしばだった。
今はどうなのか実はよく知らないのだが、当時、図画工作と呼ばれた教科では、しばしば、水彩絵の具を使っての絵を描かされたのだった。
が、幼い頃より、自分のステータスには、「絵心」「美的センス」「写実力」といった芸術系スキルは存在しておらず、鉛筆による下書きも適当なものを描いては、水彩絵の具での色塗りも雑に済ませて、しょうもないことに気を取られていた。
絵の具のチューブに書かれた色の名前である。
そこに書かれている名前は、それまで幼稚園などで教わってきたり、自宅にあった絵本や図書館の低学年向けの本棚に置かれた本に書かれていた色の名前とは、明らかに異質なカタカナの名だったりしたのだ。
まず、意味が分からなかったのが、「ビリジアン」。
どう見ても緑色なのだが、素直に「みどりいろ」と書かれていたクレヨンとは違って、「ビリジアン」だった。
英語で緑色は「グリーン」であることは知っていた。だから、余計に謎だった。
それから、「カーマイン」。
これもまったく分からなかった。
折り紙のような鮮やかな赤とは違う、ややくすんだ赤色に見えたが、絵の具のチューブ以外に、このカタカナ名を見たことは、当時なかった。
そして、「セルリアンブルー」。
ブルーの部分は、青という意味であることは知っていた。
が、その頭についている「セルリアン」が分からない。
とにかく、こういう謎の言葉が気になって、気になって、くだらない妄想を繰り広げ、まったく手が動かせていなかったのだ。
当然、図画工作の成績は低かった。
写真は、タンポポの綿毛と青空。
わずかに緑がかった濃い空色。
ラテン語で「空色」を意味する「caelum」が語源。
19世紀中頃に生産が広がった、硫酸コバルトを焼成して作られた青色顔料の色。