6月23日 海老茶
6月23日
海老茶
えびちゃ
#773C30
R:119 G:60 B:48
6月23日 海老茶
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「海老茶って、昆布茶の親戚だと思ってた。」
時折、そういう突拍子もないことを言うのは、さすがにもう慣れてはいたものの、あたしは、内心では、どこまでが本当のことなのか分からず、どう反応して良いのか迷ってはいた。
「どっちも美味しい出汁が取れそうだもんね。」
とりあえず、同調しておくことにした。
「そうそう。私、昆布茶好きだからさ、海老茶も飲んでみたいなって……。」
う~ん、これは、本気なのか? それとも……。
「全然、海老っぽくない色だよね。」
それは、あたしもそう思っていた。黒ずんだ色は少しも美味しそうではなく、なんだか傷んだ海老、食べたらお腹を壊しそうな色だと思った。
写真は海老茶色の布地。
海老茶という色は、本来は「葡萄茶」と書くようだ。
山葡萄のことを、日本語古語では「エビカズラ」と呼んでいた。
「エビカズラ」の実の赤紫色を葡萄色と呼び、それが音のよく似た海老と混同した、ということだ。
葡萄色の茶色がかった色が、葡萄茶、そして海老茶と表示されるようになった。
海老茶は、明治時代に女学校の制服、女学生の袴の色として広く用いられた歴史があり、今でも卒業式に着る袴では、海老茶色は定番色のようです。