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6月19日 卵色

6月19日

卵色

たまごいろ

#FCD575


R:252 G:213 B:117

6月19日 卵色

*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*


「じゃ、後は頼むね。」

そう言って、清香さやかは出かけていった。

後に残されたのは、俺と清香の2歳になる娘の眞帆路まほろだけだった。


清香は2時間くらいで戻るとは言っていたが、向こうの状況も分からない段階での予定は未定にすぎない。

眞帆路がおとなしくしていてくれさえすれば、そうそう問題はないはず、ではあるのだが。


結婚はしたものの、2年で離婚。今となっては幸いなことに、子供は授からなかった俺にとって、この小さな姪は異星人にも似た存在なのだ。


清香は、眞帆路に飲ませるための乳幼児用の麦茶と、ぐずったら食べさせろと言って、たまごボーロを机の上に置いていった。


なんか、昔食ったような覚えはある。

口に含むと簡単に崩れるそれは、うすぼんやりとした甘さの大して美味くもない菓子だった。


こんなもんが、好きなのか?


眞帆路は、おもちゃに夢中だった。

そして、俺のシャツの袖を引っ張り、一緒に遊べと要求してきた。


「あぁ、ちょっと待ってろ。」

俺は体の向きを変え、眞帆路と積み木を並べた。

どういう基準で並べているのかは、まったく分からなかったが、眞帆路なりのこだわりはあるようだった。そして、一通り並べ終わると、得意そうに俺の顔を見た。


「食うか?」

俺がたまごボーロの袋を持ち上げてみせると、眞帆路は「うん。」と返事をした。

そして、手の平にたまごボーロを数個乗せてやると、嬉しそうに、それを口に入れたのだった。

挿絵(By みてみん)

写真はたまごボーロ。


卵の黄みのような明るい赤みがかった黄色。


寛政年間の流行歌『はたおり唄』には、「真木の霜降り卵色 大幡大吉万格子 田野倉萌黄の程のよさ 朝日に照す唐茶無地 谷村黒八 博多織」と、卵色という言葉が入っている。

江戸時代前期に登場した色名と推測されている。

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