1月14日 グラスグリーン
1月14日
グラスグリーン
Grass Green
#7B8D44
R:123 G:141 B:68
1月14日 グラスグリーン
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草原の中央を横切る1本の道。
見晴らしの良すぎる道を走るその車は、住民たちの持ち物ではなかった。
住民たちは、みな、互いの車について熟知している。
遠目からでも、誰が街に向かったか? あるいは、いつ街から戻ってきたか? 分かってしまうのだ。
そして、自分たちとは別の誰かが通ったとなると、それは、少しばかりの警戒を持った目で注目される。
田舎というのは、よそ者を嫌うのだ。
一方で、日々の生活の中、特別なニュースが滅多に出ない地域であるが故に、好奇心という名の逆らい難い引力に引き寄せられる者も、また、多いのである。
その車がどこへ向かっているのか?
運転手はまったく気が付いていなかったが、一貫して終止、車の進行方向は住民たちによって監視されていた。
住民たちの無言の注目が集まる中、緑の爽やかな景色を背景に車は快調に走っていたが、とある場所で、誰に知らせるでもなくウィンカーが点滅し、右手へと進路を変えたのであった。
写真は、牧草地を通る車道に連なる軽乗用車の車列。
牧草地の草の葉のようなくすんだ黄緑色。
日本で草というと雑草のイメージが強いですが、西欧のグラスは牧草のイメージのようです。