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5月8日 千歳緑

5月8日

千歳緑

ちとせみどり または、せんざいみどり

#316745


R:49 G:103 B:69

5月8日 千歳緑

*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*◇*◆*


私は和菓子に目がない。

男のくせになどという、輩もいるのは承知だが、中々どうして和菓子は男のものなのだ。

和菓子は季節を取り込み、その様々な色・形を模して、単なる甘い味以上の、食べることのできる芸術品といえるのだが、このように発達したのは江戸中期以降、砂糖の流通が拡大したことによると考えられている。

そして、当時、町民から武士までが手にしていたとされる教養本『男重宝記(なんちょうほうき)』には和菓子についても詳細な記載があり、男子たるもの、和菓子を知らねば、ひとかどの者とはみなされなかったのだ。

なんと、250近くの和菓子が紹介されていた。


流通が増えたとはいえ、やはり貴重であった砂糖などの材料を用いて作られる和菓子。

そして同じ素材・製法でも、工夫によって自然や四季折々の行事、更には文学作品などを折り込み、銘を変えれば、全く別の菓子に「見立て」ができる。

盛る器や添える懐紙などでも表情が変わり、そうした演出なども重要だった。


そして、やはり、その繊細な形は見るだけでも心を湧き立たせる。

例えば、日本人にとって馴染み深い樹木である松。

松は古来から、四季の移ろいの中でも変わらずに鮮やかな緑の葉をつけることから、不老長寿の象徴ともされ、松をかたどった和菓子は、おめでたい席などに欠かせないものだった。


今日は、近所の和菓子屋の店先で、松の形の上生菓子を見つけた。

松をイメージさせる緑色、千歳緑の抹茶と共に、美味しく頂こうと思っている。

挿絵(By みてみん)

写真は、松の木が植えられた日本庭園。


「ちとせみどり」とも「せんざいみどり」とも読む。

松にあやかり、千年の後(千歳)も変わらない緑の意味を持つ。

平安時代には、既に、この色を示す記述がなされていたという。

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