4月29日 薄浅葱
4月29日
薄浅葱
うすあさぎ
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R:0 G:166 B:175
4月29日 薄浅葱
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蝶が海峡を渡っていく……。
そんな詩が国語の教科書に載っていたような気がする。
実際、蝶はかなり長距離を飛ぶことができるらしい。
あんな薄い羽根で、ちょっと押しただけで潰れてしまいそうな柔らかい体で。
アサギマダラという蝶は、秋に日本本土から南西諸島・台湾へ渡り、または少数だが初夏から夏にその逆のコースで北上することがあるという。
写真は、アサギマダラ。
安西冬衛の『春』。
「てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った」
印象深い一行詩です。
韃靼海峡というのは、間宮海峡の別名。最狭部の幅は約7.3kmです。
一方、調査によって明らかになったアサギマダラの最長の移動距離は、約2500Km。
そうすると、韃靼海峡を渡っていった蝶というのは、それほど長距離を飛行しているわけではないのかもしれません。
実は、安西は大連に渡った後に、病で右脚を切断しているそうです。
海を渡って祖国の方(当時、樺太は日本領でした)へ飛んでいく蝶を見送りながら、望郷の念、そして、自由に動けない自身の身について思うところがあっての詩、なのかもしれません。