06
起きたことを、ワシが説明しよう。
結論から言えば、魔物は倒した。死んではおらんが、回復できんくらいにはなった。
ということで、ワシらの勝ち。
殺すには魔物の生命力を削らないといかんから、長丁場になりめんどくさいそうだ。
あ。そうそう、ありんこが叫んだときのことじゃったな。
ワシのミスでもあるんじゃが、足が一本逃げおっての。真っ直ぐにゼロへ向かっていった。
まぁ、司令塔じゃし、実際一番強いしで、本能的な何かかもしれんな。うむ、すまん!
ゼロは避ける選択をしなかった。なにせボロボロのありんこが近くにおる。
魔力の節約かなんかしらんが、もう腕を食わせてやるつもりだったの、あれは。
その上で、ありんこよ。ありんこがそれを嫌がり、なんか叫んだ。
呪文じゃった。
呪文は魔力をより効率よく引き出す言葉で、魔法を強化させる。ワシはあまり詳しくないし、正直使うやつなんかおらん。むかしむかーしのものじゃ。だから、意味合いもわからなかったが…。
それを唱えた瞬間のことよ。
赤の放つ火がでかくなり、
黄の放つ雷が強くなり、
青の放つ水があふれた。
ようわからんが、ワシの使う橙も強化されたのじゃ。
はっははっは!ワシも驚いたわい。全てあのありんこがしたのなら、全属性を持つということになる。それはありえない、あってはならないことじゃ。
そして、イカの足…蛇もどきの攻撃も止まっておった。ゼロに当たる寸前でな。その理由はその後わかるんじゃが、とにかくその時には十分に集まった火力をゼロが見極め、「放て!!」の合図をおくった。
そして、足も根こそぎ吹っ飛び、イカの魔物は島の上で倒されたのじゃ。
ついでにありんこはぶっ倒れた。ぶっ倒れて、またゼロに叩かれとった。




