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ここの参加者は貴族の称号は得ていないものの、生活するには十分な資産があり、貴族の称号を手にするのを目的としている者がほとんどだ。
貴族はセントラルに認められた者が名乗ることができ、そのためには各国からの許可がいる。
つまり、5つの国に認められた者が名乗ることを許されるのだ。
(認められるためには、お金が必要。だからこんなにお金の話ばかりしてるんだろうな…)
イーリスは会場の料理を口に運びながらそう思った。どこの家が没落したとか、何かの価格が高騰しているとか、どこかの王の体調が悪いとか。そのような話を飽きもせずに行っている。
誰もが楽しんでいるというより、駆け引きを行っているように思えた。
楽しめと言われたパーティーだが、会話の内容は少しも楽しめず、独特の船の揺れに慣れてしまった今、イーリスは少しも楽しむことができないでいた。ただただ料理を味わい、覚えていくだけだ。
「どこ行っちゃったんだろうね?ねぇ、クロちゃん」
ゼロはまだここにはいない。
何かあったら助けてくれるような気はするものの、一人はやはり心細かった。
「き、きゅ」
「うん。大丈夫」
お腹にいるクロの声援を受け、辺りに耳を澄まし、壁の絵を眺め、服装や姿勢を学んだ。今日来たのは楽しむため、そして勉強のためだ。
何がいいのかもわからない絵にガン飛ばして、気合いをいれたそんなとき。
「もし、少しお話をよろしいでしょうか」




