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破壊の魔王  作者: Karionette
捜索編 第四章 ウラ ガレア
279/347

01




やっぱり二人はこうなった。

絶対戦うし、勝負はつかないし、引くに引けないことになるって。


声だけで聴いてくれると思わなかったから、手近にあった酒をばらまいてみたんだけど効いてよかった。



「お、おまえ。イーリスか!?」



ウラガだ。

時間もたって、いろんなことがあった。

ずっと探した。ずっと会いたかった。


ウラガは変わらない。

こんなに時間がたっても、一目ですぐにウラガだってわかった。


胸にこみあげるものがある。

ぐっと鼻が押しつぶされるようだ。



「久しぶり。ウラぁあぁあ!?」


「感動の再会のところ悪いな」



突如ゼロさんがわたしをひょいと担いだ。

あまりに急なことでウラガも拳を放ち、それをゼロさんは受け流した。


急なことに反応して殴らないでよ。ウラガ。

昔より威力がとんでもないことになってるじゃん。



「おい。イーリスをどうするつもりだ。てめぇ」


「目の色が変わったな。殺すつもりも傷つけるつもりもないが、国が動き出した。こいつを国の連中に見せたくない」



もう一度殴りに来るウラガだけど、何か起きる前に必死に止めた。

大丈夫。ゼロさんは味方だから!!



「……まぁ。イーリスを国に見せたくねぇのは同じだ。目立つし」


「だろ。どうせ後で話がある。こっちでも協力してやるから、戦を終わらせろ。夜中にそっちに行く」


「は!?何だよ、急に。意味が…」


「さっさとしろよ。それとも、こいつを戦場においていいのか?」


「なわけあるか」


「ならさっさとしろ」



ウラガの返事を待たず駆け抜けるゼロさん。

顔のすぐ横を銃弾が過ぎても、わたしも慣れたのか、恐怖も感じない。

憑依しているスターがギャーギャー言ってるけど。


敵の中に潜り込み、選んでいるのか、特定の誰かだけに攻撃して意識を奪っている。

それもそんなに長くなく、あっという間に空き地まで移動して走り抜けてしまった。



「話する時間は後であるから心配すんな」


「うん。してないよ。ゆっくり話したいし、大丈夫。

それよりも、ねぇゼロさん」


「あ?」



ゼロさんの目がこちらをむく。

見てたよ。手、悪魔の手にしたところ。今も目が赤いのも。



「ウラガ。すっごい強いでしょ」


「………ま。正直予想以上だった」



ゼロさんはにやりと笑う。



「いつか俺を殺す候補としては十分だな」



くそ。こう言われるとは。わたしを意気消沈させるには十分なやつだぞ。

でも……それでいいのかもしれない。

昔、わたしがゼロさんに助けてもらう条件。

それは、必ずいつかティナ堕ちするゼロさんを「殺す」こと。

それがゼロさんと、わたしやウラガ…当時でいうならシルクへの条件だ。

望みが叶う存在であるということは、悲しいけど良いことなのかもしれない。



「だけどな…なんか腹立つ」


「え?」


「なんとなく、あいつには殺されたくねぇな。やられる前には殺す」



なんでそうなるんだよ!


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