273/347
22
色々あった。
また顎もあったし、それの横バージョンも。
もっと目の細かい網もあった。
無理やりと言われるだろうが、物理的に破壊して乗り越えた。
問題だったのはアレだ。
すり潰してくるやつ。上下にローラーみたいなので潰そうとしてきた。
まさかオレの足が機械なんかに潰される日が来るとは。
どうやって乗り越えたか。
あればかりは潰されないように全身筋肉で固めるくらいしか方法が見つからなかった。
おかげで全身の骨がバラバラになりそうだ。
で。
最後がコレだ。
単なる、空間。
出口と言える場所は指ひとつ通るくらいの穴。
底から砂と化したゴミが巻き上がって流れていく。
まぁ当たり前だが、人物が通れるものじゃない。
穴を広げようにも、これは牢獄の壁。
砕けるなら、とっくに脱獄してる。
なるほどな。
とんでもない詰みの一手だ。
ここまで肉体を残して、呼吸を持たせた異常な何かがいたとしても、結局ここも牢獄。
出れないものは、出れない。
参ったな。
流石に、まいった。
死ぬまであの小さな穴を見る終焉とか笑えない。
あーあ…………。
意識が、飛ぶ。
まったく、どうしろっていうんだよ。