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破壊の魔王  作者: Karionette
捜索編 第三章 黒島へ
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イーリスが襲われた。


成長したこいつは、オトナからは女として見えるのか、下卑た顔をしながら腐臭のしそうな手でこいつに触れた。


助けを求められた。

離れててもオレにはわかる。


駆けつけると、 泣きながら助けを求めるイーリスを直接見て、血管が破裂したかと思った。



「ウラガ!?」



戸惑うオトナ。怯えるオトナ。

そりゃそうだろう。ここにいるはずねぇもんな。


知るか、クソ野郎ども。 全員死ねばいい。

今までお前たちは隠れ蓑として必要だった。 数がいれば盾にもなった。 でも、敵になるなら話は別だ。 存在する価値がない。



「ウラガ、おめぇ....!粋がりやがって! ティナ持ちに敵うか!! あぁ!?」


「関係あるかよ!。死んでも殺す…………死ぬまで殺し続けるだけだ!」



調整なんて効かなかった。 全員死ぬまで殺し続けるだけ。 言葉通りに実行した。

途中で汚い言葉を何度も投げかけられたし、 イーリスがやめろと叫ぶ声も聞こえた。

だが、オレは止まり方を忘れていた。ネジのとんだ機械仕掛けのように。


殺す。殺しきれなかったら、もう一度殺す。 動けば殺す。 声をあげるものなら、殺す。


オレは我を忘れていたのだろう。


意識がはっきりしたときには、殴りすぎてオレの拳は割れてるし、 アバラの骨を引き抜いてるし、首は頸動脈ぎりぎりまで傷がいっていた。


イーリスは泣いた。

オレを心配して泣きじゃくった。


少しだけ、やりすぎたかな、と動かない体でぼんやりと思った。



「ウラ、ウラガ!!ごめんなさい!また、怪我を.......。ひどい怪我で.......お願い、死なないでっっ!!」



そんな姿を見て、オレはイーリスに声もかけずに暴れていたことに気付いた。


だめだな。 安心もさせてやれてなかった。


血塗れの手を軽く拭い、イーリスの頭を撫でた。



「泣くなよ、ばーか。オレは強えっていつも言ってんだろうが」



オレはやっとイーリスに触れて笑うことができた。




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