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破壊の魔王  作者: Karionette
復興編 第四章 闘技場へ
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01




カロルさんから情報をもらい場所が判明。

空を飛べるゼロさんが1人で特攻するわけにもいかず、バレにくい空の旅となった。


船長はもちろんルルクさんである。



「あ、あた! あたし! 飛空艇はじめて!!」


「そうかい。 狐の嬢ちゃん。舌噛まないよう気ぃつけな」


「はい!」



と、リオはうっきうきである。 ゼロさんは相も変わらず、寝るか飲むかで、わたしも相変わらず作るばかりである。


というのも、今回銀さんが素晴らしいものを作ってくれて、 物が無限にはいるバッグを作ってくれたのだ。 馬鹿みたいに吸うし飲むゼロさんへの生贄がいくらでもはいる !



「無限じゃないよ。 一応」


「ほぼ無限だからいいの。それに軽い!」



わたしにちょうど良いように、背負うバッグにしてくれて、重さも感じにくくしてくれた。 防火防刃性能もあり、 後ろから刺されても大丈夫。

今のわたしの装備はそのリュックと、シルバからもらった短刀だ。


リオはいつものスーツ姿で今から敵地に向かう姿とは思えな い。 でも、あれは見た目だけでティナの恩恵装備だから、丈夫さは折り紙つきだろう。 ゼロさんも変わらず。 手ぶらだ。



「ふん、銀というのは常識がないやつだねぇ。 こんなバッグ があったら便利だろうけど、 商売あがったりだよ」


「物を運ぶのに船も飛空艇もいらなくなるもんねー」


「積載量の概念が崩れちまう。 絶対落とすんじゃないよ。 その技術は誰にも知ってほしくないねぇ」


「大丈夫! わたししかバック開けれないし、触ってない時間 が暫く続いたら消えちゃうようにしてるらしいから」


「•••••• ほんと。 常識のない男だねぇ」



そう言いたくなる気持ちもわかるけど、 言ったらキリがない んだ。 銀さんに関しては。


「それにしても連れて行くのはいいんだけど、まだアガドルークに未練があるのかい?あんたたちは、あの国に関わりすぎじゃないかねぇ」


「 未練はないけど目的があるのです」


「そう… 物騒だからねぇ。 気をつけな」


「うん!」



そして、ちょうど日が沈むころ。


目的地から少し離れたところにルルクさんは降ろしてくれた。


降ろしてくれたというか、 飛び降りさせられた。



「さっさと行きな! このクソガキが!」



理由はゼロさんが怒らせたからで、巻き添えくらって全員墜落である。


とはいっても、ティナ持ち二人がそんなことで堪えるはずもなく、わたしも悲しくも慣れてしまったところがあり、結果問題のない到着だった。



「ちょっと触ったくらいで怒るなよな。あの婆」


「ゼロが触ったらコレクション全部壊されそうなんだよ」


「んなことするか」


「じゃあ前科があるんじゃない?」



リオがそう言うとゼロさんは黙ってしまった。


前科あり!!



「情報屋によれば場所は森の中だ。 遺跡かなんかの跡地に地下コロシアムがある。 正規ルート以外には、罠だとか見張りだとかが張り巡らされてるらしい」


「じゃあ気を付けていかないと」


「そんな危ない橋渡るかよ。 通常ルートで行く」


「じゃあ客として入るの?」


「そうなるな」


「そこであいの出番だよー!」



突如とカラフル頭が出現した。

思わず体は飛び跳ねるけど、悲鳴は堪えた。

敵地で(うるさ)いの厳禁。



「君たちが思っているより中も外も複雑だからねぇ。 外から入るのはオススメしないし、 潜入した方が情報だって集めやすいよぉ。 あいのとこの奴も何人か潜伏させてるから、やり易いようにはしてるはずだよー」


「ああ、わかった」


「で、これが入館チケットで、これが身分証ねー。何かあったら使うといいよぉ。 もしも中の貴族に声かけられたら商業ギルドからの紹介だって言っときなー」



それからも中の注意事項や要注意人物について挙げていく。


なるほど。 理解した。


何でも屋カロルという名も伊達ではないってことだろう。


ものすごく使える!!



「あいのとこの仕事もさせてもらうからねぇ。 ちょいと暗殺するまでは、死体は残しといてくれないと困るよぉ」


「どちらにしろここにいる全員を皆殺しにするつもりはねぇよ。機能しなくなるならそれでいい。 貴族なんざ殺してもどうせ湧く」


「同意見だねぇ。 ディアブロも生死不明報道のままにしたいなら、派手に動くべきじゃないだろうし。 さくっと経営側の人間 だけ暗殺できればいいんだろうけど、問題はティナ持ちだねぇ…..。暗殺できないもんねぇ」


「あー」



ゼロさんはぐっと眉をひそめる。


確かに隠密でディナ持ちを倒すのは不可能だろう。

ただでさえゼロさんの技は派手だ。 暗闇の中じゃ目立たないだ ろうけど、建物の中ならそうもいかない。



「めんどくせ。 そん時に考える」



ゼロさんって頭いいのにそれ以上のめんどくさがりだよね。



「まぁいいやー。 あいがするのはここまでだよぉ。 あいも潜入 して暗殺業やら情報関係の仕事してくるけどぉ、手助けなんで 必要ないだろうし理由もないからねぇ。 各自頑張ってよー」


「ああ」


「料金の残りは後から請求するとして一……、ああ! オマケだよお、ディアブロぉ。

あっちのティナ持ちは少なくとも2人はい るんだけどぉ、その中の一人は女郎蜘蛛 (アラクネ) らしいよぉ」


「!」



アラクネ。

思わずゼロさんを見る。


アラクネは、わたしとゼロさんが戦った相手で、破壊できなかった相手。 わたしが初めて見たティナ堕ちで、 ゼロさんが重傷を負いなが らもなんとか倒したティナだ。



「そりゃ・・・ 好都合だな」



ゼロさんに悪魔の笑みが宿った。




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