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破壊の魔王  作者: Karionette
復興編 第三章 再会
196/340

02




「たのもぅっ!!」



大声を張りながら扉をあけたのは、大柄な熊のような男だ。

過剰な力で扉はパキリと音をたてて、少しだけゆがむ。

それよりも、そこで待っていた他の人物の表情が歪んだ。



「これはこれは。まさか海賊までくるとはねぇ」


「なんじゃ、蝿か。 お嬢さんと呼ぶには歳がいきすぎるの」


「陸にあがった魚がでかい口叩くんじゃないよ」



古ぼけた酒場で火花が散る。 カウンターの隅では少年がぷるぷると震えていた。



「グリさんはいいよ。 わかるよ。 なんで、なんでも屋さんまでいるのさ」


「なぜかってぇ? それはあいが集めたからさぁ」


「君苦手なんだよ。ほんとに」


「おつかれ様だねぇ。最近イカみたいな魔物に襲われたって聞いたよぉ」


「てめぇ!ヤマトから離れろ!、オレ様が相手してやらぁ!!」



カウンターの反対側では片腕の男がグラスをあおる。



「てめぇら!!どいつもこいつも静かにしねぇか!!!」


「なんじゃ!ハゲ剣士は静かにしとれ!ここは裏側の人間の集いじゃ!表の奴は引っ込んどれ!」


「アタシゃここにいる全員に用がないよ。 さっさと帰んな」


「怪盗ではあるけど、 裏方の人間ってわけじゃ・・・」


「オレ様、 人間じゃねぇんだけど」


「へへへへ。 カオスだねぇ。 楽しいねぇ」



酒場には怒号と怒号、 たまに悲鳴が響いた。 騒がしい夜の音を耳のいい男が聞こえないはずもなく、その男は近づくにつれて徐々に苛立っていった。


男からすると、彼らの声は耳障りな騒音でしかないのだ。



「てめぇら全員うるせぇんだよ!!!!!」



軋む程度で済んでいた扉がついに粉々になって吹き飛んだ。



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