07
「まぁ、そんなかんじ」
「ほぉ…」
「それから暫くして軍がきて、逃げるためにルナティクスに来て、銀に会って、ゼロにも会って….….….なんだかんだで裏のルナティクスの専属医になったんだ」
平気な顔をして話すリオだけど、きっともっといろいろあったんだと思う。 お姉さんのことなんて、簡単に乗り越えれるようなものでもないだろう。
リオがティナ持ちになるほどの想い。
リオは頭がいいから、きっと一瞬でたくさんたくさん考えたんだろう。
「そういえば、あたしの代償もいってなかったか」
「たしかに!」
「何も自分のこと話してなかったね。 あたしは起きれないんだよ」
「?」
起きれない?
「寝たら起きない。 呼ばれても、 揺さぶられても、腕切り落とされても」
「えええええええ!?」
それめっちゃあぶないじゃんか!!!
「だからゼロは最初に寝かせない訓練をしたんだよ。 一回寝たら目覚めるまで起きないから 危ないってね。
でも1週間が限界。ティナ持ちは何もしないなら2、3週間は寝なくてもいけるらしいんだけど」
「う、うげぇぇ」
「だからあたしがティナ堕ち確定になったら寝てる間にやってもらうことになってる」
・・・それは、痛くも怖くもないからいいのかもね。 そっか。 リオは一日数時間、物凄く無防備になるのか。
「......言ってよ!!一緒に暮らしてたのに知らなかったよ!」
「え、ごめん」
「だからって守れるかっていったらそうじゃないかもしれないけどさ!」
「あ、いや。 あたしとイーリスが暮らしてた部屋は、何か侵入してきたりしたら家全焼するレ ベルで燃えるようになってたから大丈夫。 一応対策はしてるよ」
「そ、そっか。 ならよかっ….….」
........あれ?それ、わたしは大丈夫か?
リオは自分の炎で燃えることはないけど、わたしは?
「えーと。 なんか、 ごめん」
まさか一緒に住んでる人が家に罠をしかけてると思わなかったわたしは、暫くじーっとその 仕掛人を睨んでいた。