03
「おかしいだと?」
「いや、まだわかんねぇ。 わからねぇから、おかしい」
「…」
「なんの影響もない方が無理な話だろ。 イリスやクガネが魔力使ったようなもんだぞ。俺 がやったことって」
「そうだな」
「だから少し休ませろ。 俺も調べる。問題ねぇなら、いつも通りだ」
「必要日数は?」
「未定」
「........まぁ、いいだろう。 お前が無駄に時間を使うとは思えんしな」
「だといいねぇ」
「労働力確保には、連合とルナを向かわせる。 都合のいい的が欲しくなったら言え」
「・・・ククク。 言うねぇ」
「誰かに感化されたらしいな」
「機械相手と会話しているかんしがねぇから助かる」
「…ふ。 昔を思い出すな」
「あ?」
「なんでもない。 それよりも、だ。
ゼロ。私はお前に死なれたら困る」
「……」
「殺そうと思っても殺せなかった。 体が自在に動かなかった。 知らない感情に支配された。
理由はどうでもいいが、死を選ぶな。お前の死は軽くはない。 お前自身の命とはいえ、それは人一人分と言うには、あまりにも重い。 龍である私が必要とする数少ない人間の命だ。 それを忘れるな」
「……銀。 それでも俺の命は俺のものだ。 どんだけ軽かろうが重かろうが、俺のもんは 俺の勝手にする。
説得は聞かねぇ。 生きたいだけ生きて、 死にたいときに死ぬ。 自由にやらせろ」