01
わたしは復活した。
迷いに迷い、 何もできず、 持つことしかできない。 そんな立ち止まって動けなかった自分から復活した。
そして、何をするか。
ウラガを探すのだ。
ウラガが生きている可能性は状況からいうとゼロだ。 可能性がある理由があるとするなら、以前「赤髪の男は生きている」と言われたから。
でも、 その人は味方ではないし、信用できる人物というわけでもない。 起きたことだけなら、 生きているわけがない。
それでも探す。
死んでいるなら、死んでいることを納得するために。
だから旅に出ます。
・・・・と、言おうと思ったのだけども。
「どうしたの?」
力を持った存在である魔物たち。 ここはそんな魔物たちの聖地ともいえる場所なんだけど、 いつもは集まることのない皆が、ぞろりと勢ぞろいしていた。 勢ぞろいというか群がってる。 ものすごく。
「というわけだ。」
「そうか」
真っ白な大蛇の魔物であり、ここの主であるシルバと、人の姿だけども本当は龍である銀さん。
二人がこう改まって話すなんてめずらしい。
「めんどくせぇことになったな」
「ゼロさん」
前の戦いで重症を負い、 やっと目を覚ましたばかりのゼロさんは、 どこか眠そうな顔をし て退屈そうに二人のやり取りを見ていた。
「何があったの?」
「まだねぇよ。 ただこのままだと、 この素自体が消えるらしい」
めちゃくちゃヤバイじゃんか!
「とは言っても今日明日の話でもねぇよ。 数年単位の話」
「そ、それならよかった…」
「ルナティクスのためにマナを使いすぎてて枯渇寸前なんだと。 これ以上はこの場所の寿 命を縮めるらしい」
「だから出てけって?」
「平たく言えばそうだな」
ゼロさんはそう言って煙草を燻らせた。
ルナティクスとは、銀さんの力と技術のもとで維持している人間以外の生き物の楽園だ。 そして、 それを行うための魔力を補うための人間の街でもある。
二つは裏と表の関係だ。
あそこにいる生き物たちは、人に見つかれば死ぬか生き地獄かのどちらかで、研究対象、単なる抹殺、 保護のためにと鳥かごで飼われる生活…。そんな未来になることが濃厚だ。
だから、ルナティクスという場所は隠れ場所は必要なんだけど・・・。
「あの場所はあまりにもマナを食いすぎる」
そう。 物凄く燃費が悪い。
前は、その魔力を人間の街で十分補っていたんだけど、今はそこが壊滅したからこの場所に していたのだ。
「わかった。復興を急ごう」
銀さんの目がこちらを向く。 速攻で目を逸らすゼロさん。
「手伝え」
「却下」
「あれはお前の街でもある。 責任を持て」
「俺のじゃねぇし、手下にやらせとけばいいだろうが」
「それでは遅い。 私も力を貸そう」
ゼロさんの重いため息がく。
銀さんの目は当然のようにわたしにも向いていて。
「頼りにしている」
拒否権すらないように感じました。
大変遅くなりました
またどうぞ宜しくお願いします!