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破壊の魔王  作者: Karionette
アガド攻略編 第六章 終結
174/339

02




何度も見る夢。


白銀の少女が、泣きながら手を伸ばし。

俺はそれをつかめなくて、そのまま世界が砕ける夢。


なんて言っていいかわからない感情に呑まれる。

あの不快極まりない夢。


それに加えて今度はなんだ?

なんか、引きはがされるような感覚。

痛いのかどうかもよくわからん。


なんとなく、奪われる感じはする。

千切れて、砕けて、盗られる。


ふざけんな、止めろ。

どこまで俺から奪えば気が済むんだよ。

とにかく守る。

奪わせないように、とにかく耐えて耐えて耐えまくって……。


それが今、突然終わった。


少女も、俺を閉じ込める何かも、大量の水に流される。

俺も流されているような気がするが、不思議と焦りはない。

なんというか、転移するときと似ている。


…………と思ったら急に地面にぶつかった。



「………いってぇ」



あ?なんだよ。痛いってなんだよ。声も出るのか。

手も足もある。翼を出したら翼もある。水面に移る姿も、俺だ。


…まぁあの状況だ。俺は死んだとする。というか死んでないとおかしい。

それで?死後の世界ってこんな大自然が広がってるのか。


広大な平原に透明な泉。

生き物が走り回り心地よい風も吹いてる。

なんかよくわからねぇが、平和だなってかんじ。


俺は死んだら、まぁほぼ100%地獄行きだと自負していたが、これが地獄か?嘘だろ。



「じゃ、死んでねぇのか。白蛇か、銀か。何しやがったんだ」



死にかけてる人間にとんでもないことをするよな。人間じゃないやつらって。


ほっとけよ。安置してろって。


遠慮もなければ、同意を求めもしねぇのか…。

絶対楽しんでるだろ、あいつら。



「ま、繰り返し繰り返し同じ夢ばっか見るのも飽きたしちょうどいいか」



とは言ったものの何すりゃいいんだ?

夢か幻かしらねぇけど、徹底的にあの走り回ってる生き物を切り殺せばいいんだろうか。

何かをぶっ殺せっていうならあるもの全て壊していくが、それじゃルール違反か?


ち。ルールのねぇゲームほど面倒なものはねぇな。

遊ぶのは嫌いじゃねぇけど、これじゃ遊びにもならん。


風景は動いても変わらないし、変な生き物どもも、一定の法則で走っているだけでこちらに見向きもしない。


なら動く必要もないか。景色も生き物も、単なる背景だってことだろう。


じゃあ、とりあえず後ろのこいつと戦えばいいのか?



「それとも、お前を殺すと俺は死ぬのか?」



俺の視線の先には、"俺"がいた。




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